- E-E-A-Tとはなにか?
- E-E-A-Tが重要な理由
- E-E-A-Tを高めるためのが具体的な方法
SEO対策を始めてある程度の時間が経過してくると、どうしても伸び悩んだり、施策がうまくいかなかったり、壁に当たる場面に遭遇します。より成果を上げるためには、小手先でない施策を打つ必要があり、SEOやメディアの担当をしている方は頭を悩ますことが多いと思います。
すでに基礎的な施策は済ませて、より成果を上げるために情報収集している方は、「E-E-A-T」という単語を一度は聞いたことがあるはずです。近年、Googleでは重要視している要素のひとつで、上位表示を達成しようと思うと必ず理解して取り組むべき事項です。
この記事ではE-E-A-Tの概要と、各要素での評価を高めるための具体的な対策を解説します。
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E-E-A-Tとは?
E-E-A-TとはExperience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼)の4つの単語の頭文字を取ったもので、「ダブルイーエーティー」、または「イーイーエーティー」と読みます。
Google公式の検索評価ガイドラインに記述され、高品質なサイト、ページやコンテンツを作る際には重要な要素になります。具体的にどのように計測しているかは明記されていませんが、実際にガイドラインを読んでみるとヒントが書いてあります。
まずは公式の情報から内容を読み解いてみましょう。
経験(Experience)
書かれているコンテンツが実体験をもとにしているかどうかです。検索評価ガイドラインからの引用です。
For example, which would you trust: a product review from someone who haspersonally used the product or a “review” by someone who has not?
たとえば、「実際に製品を使った人のレビュー」と「そうでない人のレビュー」のどちらを信用しますか?
本文はもっと長いので割愛しますが、コンテンツを作成する人がある事柄について必要な実体験や人生経験をどの程度持っているかを考慮します。
「必要な」の部分が難しいですが、公式の例をご紹介すると、確定申告書の記入方法を知りたい人は会計の専門家が作成したコンテンツを読んだほうが役に立ちますし、確定申告ソフトの評価を知りたい人は実際にそのソフトを使ったことがある人のレビューなどを探すはずです。
この公式の例から、コンテンツの作成者はそのトピックについて実際に経験した人を置くのが最適であることがわかります。
専門性(Expertise)
コンテンツ内のトピックについて、どれだけ知識を持っているかです。公式から引用します。
Consider the extent to which the content creator has the necessary knowledge or skill for the topic.
コンテンツ制作者が、そのトピックに必要な知識や技術をどの程度持っているかを考慮する。
こちらもコンテンツ内のトピックによって、信頼できるレベルの専門知識は異なります。たとえば、家庭⽤電気配線の再配線について、熟練した電気技師からのアドバイスと、電気配線の知識がないアンティーク住宅愛好家からのアドバイス、どちらを信頼しますか?
権威性(Authoritativeness)
簡単に言えばサイトやコンテンツ作成者が(Web上で)有名な人かどうかです。
Consider the extent to which the content creator or the website is known as a go-to source
for the topic.
コンテンツ制作者やウェブサイトが、そのトピックに関する主要な情報源としてどの程度知られているかを考慮する。
上述の専門性だけではなく、その業界で実績や知名度があるかで判断されます。Googleがどのようにして権威性を判断しているかは公開されていないので難しいですが、Web上の情報からメディアへの出演経験や、書籍や論文の執筆情報などから割り出していると思われます。今までの経験上、Amazonで販売されている書籍が大量にある、などの場合サイトの強さはそこまででなくても上位表示されているケースが目立ちます。
その他、被リンクやSNSでの活動状況などからも判断していると思われます。
信頼(Trust)
こちらも検索評価ガイドラインから引用すると、
Trust : Consider the extent to which the page is accurate, honest, safe, and reliable.
ページが正確であるか、誠実であるか、安全であるか、信頼できるかなどを考慮する。
信頼についてもどのように判断しているかは公開されていませんが、情報の正確性を判断する基準として、その情報元がどこなのか?はおそらく加味されているはずです。
その他、情報の発信している運営元がはっきりしているかどうかなども評価材料のひとつです。
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SEO対策でE-E-A-Tが重要な理由
Googleは公式のGoogle 検索セントラル ブログ内で、E-E-A-Tはランキングに直接影響する要素ではないと発言しています。
しかし、E-E-A-Tに関する考え方をGoogleは以前から重要視しており、信頼できる情報を検索結果に反映できるように務めるという基本原則を捨てることはないとも明言しています。
そもそもGoogleが評価するコンテンツは「ユーザーにとって有益な情報を提供しているコンテンツ」なので、E-E-A-TがSEO上まったく不要というわけではありません。E-E-A-Tを意識して作られたコンテンツが結果的に評価が高いコンテンツです。
上位表示を達成するためには、E-E-A-Tをしっかり理解してコンテンツ作成を行う必要があります。
YMYL領域の場合はとくに重要
YMYLとは「Your Money Your Life」の略で、ひとことにまとめるとお金と人の人生に関わるジャンルを指します。
対象となるジャンルは膨大にあり、主に金融、健康、医療、安全、ニュースなどの時事問題、法律、ショッピングなどが挙げられます。
たとえば、大きな病気にかかっている人が検索結果の情報をを参考にしたときに、信頼性の低い治療情報や、信憑性の低い商品の販売サイトなどを目にしてしまうと不利益を被る可能性があります。
こういった問題を防ぐために、YMYL領域ではとくに情報の信頼性や、E-E-A-Tが重要になります。
AI時代到来で重要度が高まる
近年、ChatGPTをはじめとした生成系AIが台頭してきました。ジャンルや質問の投げ方にもよりますが、間違った情報が出てくるなどAIによって生成される情報にはまだまだ信頼が足りないように思えます。
AIで生成された情報も、信頼を担保するために情報元を集めて明記するなどの対応が必要ですし、まだ人間の手から完全に離れるのは難しいと考えています。
AIを使用して生成したコンテンツが上位表示できないというわけではありませんし、弊社でも試行錯誤している最中ですが、E-E-A-Tを意識した編集は今後も必要で、以前より重要度が増していると言えます。
E-E-A-Tを高める対策は?
ここからは実際にコンテンツを作成する際に、E-E-A-Tの各要素を高めるための具体的な施策アイディアを解説します。
いろいろな情報を並べていますが、現場レベルでできることとしては、やはり良いコンテンツを作り続けることが大前提です。
合わせて、Googleが公式で発信している下記の情報も確認しておくと、現在のコンテンツが品質の高いものかどうか自己評価ができます。こちらも参考にして、品質のチェックをおすすめします。
参考:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
各要素は密接に関わるので、ひとつの施策がいくつかの領域にまたがることもありますが、極力要素ごとに取りまとめています。
【経験】を高める対策
まずは「経験」の要素を高めるための施策です。当然ながら「経験」自体がないと高めるのは難しいのですが、仮に経験があったとしても意識するポイントがあります。
一次情報の発信を心がける
提供する情報は極力一次情報となるように心がけましょう。
後述する自身の体験をコンテンツ化することや、独自の研究や調査から得られるデータなどを用いると一次情報になりやすいです。この場合は使用する図解などもオリジナルのものを作成して掲載するとより良いです。
弊社でも実際に対策した結果得られた情報や、実際に使用しているツールや行った手順をもとにした記事作成を心がけています。
自分の体験をベースにコンテンツを起こす
コンテンツの内容にもよりますが、実際に体験したことをベースにすると「経験」の要素を高めやすいです。
たとえば、旅行系のコンテンツであれば、実際にその場所へ訪れたことのある人が書いたコンテンツの方が信頼性は高いと思われます。ただ記事として作成するのではなく、実際に現地に赴いて取材し、写真なども現地で撮影してきたものを使用すると紛れもない「一次情報」になります。Googleもこういった点から「経験」があるかどうかを判断していると思われます。
実際に体験しにいく
当たり前のことですが、もし経験したことのないものをテーマにコンテンツを作成する場合には、実際に体験しにいくと「経験」の要素を満たせますし、良質なコンテンツになりやすいです。
これもジャンルによるのでひとまとめにするのは難しいですが、筆者が今までに行った内容を羅列してみます。
- バイクの記事を書くのに詳しい人に取材して執筆(二輪免許は持っていません)
- 観光地の記事を書くのに現地へ行って素材として大量に写真を取ってくる
- ブランド買取の記事を書くのに親戚の買い取り査定に実際に同席させてもらう
- 健康食品の比較記事を書くのに、30品ほど購入して社内レビューを行った
他にもまだまだありますが、個人の体感としても経験者かそうでないかでコンテンツの仕上がりにかなりの差が出ると感じています。経験したことのないものをテーマとする場合は極力実体験に近づける努力をした上での作成をおすすめします。
【専門性】を高める対策
次は「専門性」を高めるための対策です。
実際にコンテンツを作成する人の専門性が高ければそれで終わりなのですが、誰もが急に専門家になれるわけではありません。自身の専門性を高める、またはコンテンツの専門性を高める、という観点で解説してみます。
情報のインプットをし続ける
まずは個人の専門性です。シンプルに特定のジャンルの情報を仕入れ続け、「詳しい人」になるしかありません。
前述のように実際に体験しにいくのも有効ですし、やはり知識も経験も備わっている人が作るコンテンツは詳しくない人が作成するものと比較して情報量、質が違います。
多くの場合、運用するメディアには一定のテーマが存在するので、そのテーマについて詳しい人であり続けるために、情報のインプットは継続的に行いましょう。
サイトのテーマ、コンテンツのジャンルを絞る
サイトのテーマや作成するコンテンツのジャンルは極力絞りましょう。広く設定してしまうとテーマがブレてしまい、結果的に専門性の高いサイト、コンテンツにならない場合があります。
もちろん、多数のテーマを扱うサイトが上位表示しにくいわけではありませんが、難易度を考えると極力絞ることをおすすめします。
著者、監修者のプロフィールを設置する
実際にコンテンツの作成や記事の執筆を行った人や、その監修を行った人の情報は可能であれば開示しましょう。お名前や顔写真、プロフィールなどもページ内に設置すべきです。
誰でもいいわけではなくて、やはりそのテーマやジャンルに詳しい専門家が望ましいです。後述する「権威性」にも関わることですが、業界内で有名な人を置けるとより良いです。
著名人へのインタビューをコンテンツにする
最後にコンテンツを作成する際のひとつの方針としてご紹介します。特定のジャンルの著名人へインタビューを行い、コンテンツにする方法があります。専門家レベルの方に依頼できれば高い専門性を担保したコンテンツの作成ができます。
この場合も、インタビュー相手のプロフィールなどの情報をしっかり設置しましょう。
【権威性】を高める対策
「権威性」を高めるためには「誰」がその情報を発信しているのかを伝えることが重要です。言語化するのが一番難しい、「権威性」を高める対策方法を示します。
専門家や著名人に執筆や監修を依頼する
専門性にも関わる内容です。専門家や著名人に執筆や監修を担当してもらうことで権威性が高まります。
ここでいう専門家や著名人は、Googleに専門家、著名人として認識されているかどうかが非常に重要です。いくら専門性が高くても、Web上に情報がまったくない、または少ない状態だとGoogleはその方を専門家として認識していないかもしれません。あくまでWeb上に情報のある人かどうかが重要です。
最も良いのは、個人名で検索したときにナレッジパネルが出る場合です。
細かい話は長くなってしまうので割愛しますが、ナレッジパネルに載るにはWeb上にその人についての情報が存在しないとそもそも表示されません。ある意味Googleがその人をどう認識しているかなので、ナレッジパネルに載る人であれば間違いなく著名人です。
ナレッジパネル以外の要素だと、
- 書籍を執筆している(ECサイトで販売されている)
- SNSのアカウントがある(アクティブである)
などが挙げられます。
「Web上で」有名な人、と考えるとわかりやすいです。
被リンクやサイテーションを獲得する
被リンクが多く集まっている、サイテーション(他のサイトで引用される)を多く獲得している記事やサイトは、Googleの認識上「有名なサイト」としてとらえられやすく、「権威性」の高さにつながります。
被リンクやサイテーションを獲得するには良質なコンテンツを配信する、一次情報を掲載するなどの対策が必要です。被リンクやサイテーションは、SEOの評価を高めるうえでも重要な要素のひとつなので、権威性目的でなくてもなるべく意識的に獲得しておきたいです。
競合に見劣りしないコンテンツ数を確保する
コンテンツの少ないサイトは権威性が低いとみなされがちです。やはりコンテンツが多いと被リンクやサイテーションの獲得が期待できるからです。
競合と比較して、十分な数のコンテンツを揃えておく必要があります。
指名検索を増やす
指名検索の多さも「権威性」を計測する有効な指標です。単純に「有名なサイト」になることで権威性が高まります。
指名検索を増やすためには広告を含めたPR施策が有効ですが、被リンクやサイテーションの獲得も有効な施策のひとつです。被リンクやサイテーションを獲得するためにも、良質なコンテンツや一次情報の掲載が必要になるので、各施策は密接に関わっています。
【信頼】を高める対策
掲載されている情報の信頼性を高める施策です。主に情報の発信元がどこか?が関連します。
運営者情報を開示する
サイトの運営者情報はサイト内で明示する必要があります。会社概要などのページは必ず設置しましょう。
この運営者情報も、ただ掲載すればいいというわけではありません。Web上の情報でその運営者が存在していることがわからないと、かえって信頼性を下げてしまう可能性があります。サイト内に企業名が明記してあっても、その企業の存在が確認できないと信頼性は大きく下がります。
運営者情報の信頼性を担保するのに、運用上気をつけたいポイントは下記です。
- 企業の公式サイトがある
- 公式のSNSアカウントがある
- Googleビジネスプロフィールに登録、運用している
その他、上述の被リンクや(企業名の)サイテーションを獲得していることや、指名検索が増えることでも運営元の所在を担保する要素になります。
SSL化に対応する
サイトがSSL化に対応していると通信の安全性が上がり、信頼につながります。SSL化とはサイトのURLの頭が「http://」ではなく、「https://」になっていることです。
最近ではSSL化されていないサイトをあまり見かけなくなってきましたが、もしSSL化に対応していない場合は対応を検討しましょう。
引用する情報は公的な情報にする
もし他のサイトからなにかの情報を引用するなら、なるべく信頼性の高いサイトの情報を選びましょう。具体的には官公庁などの公的機関や、業界で有名な専門性、権威性の高いサイト、研究機関の論文などです。
情報元の信頼性が確認できないと、そのコンテンツの信頼性も損なう可能性があります。情報を引用する際には、そのサイト、ページへの外部リンクも設置しておきましょう。
こういった信頼性の高い情報を検索するためには、「まとも検索」や「Google Scholar」などを使用すると探しやすいです。
参考ページ:まとも検索
参考ページ:Google Scholar
サイトやコンテンツの更新性を保つ
扱う情報が定期的に更新されるものなどは、最新の情報が掲載されている必要があります。
普遍的な情報であれば定期的な更新がなくても問題ありませんが、たとえばランキング系のコンテンツなどはある程度新しい情報が掲載されていないと、信頼が低いとみなされるかもしれません。
定期的な更新が必要かどうかはジャンルにもよるので明言するのは難しいですが、家電やクレジットカードなど、毎年「20〇〇年最新!」のような雑誌などが販売されるようなジャンルは、最低限年に1回は更新が必要だと推察できます。
記事は適度にリライトする
コンテンツの更新性にも通ずる項目です。記事は適度にリライトをして、よりよい記事に仕上げていきましょう。
Web上には情報が溢れているので、情報はどんどん古くなっていきますし、単純に記事単体として評価を高めることが信頼を始め、権威性や専門性など、その他の要素の向上にもつながります。
E-E-A-Tを意識したコンテンツづくりで上位表示を目指そう!
E-E-A-Tは直接ランキングに影響する要素ではありませんが、それぞれ分解してみると上位表示に密接に関わる重要な要素であることがわかります。作成するコンテンツがユーザーにとって有益かどうかを確認するチェックリストとしても有効活用できます。
すべての要素を高めようと思うと一朝一夕では実現できませんし、継続的に対応しなければなりません。Googleが評価方法を明言していない部分も多く、実際に施策に落とし込むのは難しい側面もありますが、極力具体的な施策として解説しました。
できれば公式の検索評価ガイドラインをもう一度振り返り、一度は通して読んだ上で(全編英語で大変ですが)、しっかりと理解した上で日々のメディア運営に取り組んでください。
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