- オウンドメディアの戦略を設計する5つのステップ
- オウンドメディアの戦略を設計するポイント
- オウンドメディアの戦略を実行する際の注意点
売り上げの向上や集客の増加・認知度の向上などを目的としてオウンドメディアを運用する企業が増えてきています。しかし、オウンドメディアは成果が出るには時間がかかり専門的なスキルを要することもあるため、明確な目標や施策がない状態で漠然とオウンドメディアを運用しても、思ったような効果を得ることはできません。
そのため、オウンドメディアの運用を成功させるためには、戦略設計が重要になってきます。しかし、具体的な戦略の設計方法がわからない担当者も多いのではないのでしょうか。
そこで本記事では、プロの視点からオウンドメディアの戦略を設計する重要性や実際の設計手順・ポイントなどについて解説します。これからオウンドメディアの運用を検討している担当者や戦略設計について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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オウンドメディアの成功には戦略設計が鍵になる
オウンドメディアの運用を成功させるためには、戦略設計は欠かせません。オウンドメディアにおいて戦略とは、ゴールまでのロードマップや地図のようなものになります。
地図がなければ、ゴールに辿り着くためには、いろいろな道を模索する必要があり、ゴールを達成するまでに多くの時間がかかってしまったり、ゴールできないなんて可能性もあるでしょう。
その理由としては、地図がなければ、現状の場所も把握できないですし、ゴールまでの距離が把握できないので、前進しているのか後退しているのかすらわかりません。
上記は人間に例えた話になりますが、オウンドメディアでも同じことが言えます。
戦略はオウンドメディアによって大きく異なる
先ほどオウンドメディアの戦略は、「地図のようなもの」だとお伝えしてきました。地図はゴールや手段(車やバス、電車etc…)によっても大きく異なってきますよね。
ただ、「オウンドメディアの戦略を決めよう」と考えた時に、「他の企業の戦略を真似てみよう」「公開されている戦略をそのまま自社に横展開しよう」ということをやってしまいがちでしょう。
実際に、この記事を見ている方も「具体的なオウンドメディアの戦略」が知りたいのではないでしょうか。
そこで、先ほどの「地図はゴールや手段によって大きく異なる」ということを思い出してください。
オウンドメディアも同じで、自社のゴールや現状の立ち位置、リソースや予算などによって戦略は大きく異なります。
そのため、オウンドメディアの戦略は、理想論ではなく「自社では何が現状課題なのか」「現実的にどう解決していくのか」と自社の状況に合わせて設計をしていくと良いでしょう。
オウンドメディアの戦略を設計するロードマップ
では、実際に自社のオウンドメディア戦略を設計していく方法を解説していきます。先ほども紹介したように、理想論ではなく自社の状況に応じて設計していきましょう。
- まずはオウンドメディアの目的や求める成果を定義する
- 市場調査を行い現状を把握する
- ターゲットやペルソナを設定する
- 現状の立ち位置から現実的なKPIを設定する
- KPIを元に運用方法を決定する
まずはオウンドメディアの目的や求める成果を定義する
はじめに、オウンドメディアを運用する目的やどのような場合を成果とするのかを定義します。オウンドメディアはあくまで手段なので目的ではありません。
「何を達成するためにオウンドメディアを運用するのか」を明確にして
オウンドメディアの目的は企業によってさまざまですが、代表的には以下のような内容が挙げられます。
- 売上の向上
- リードの獲得
- ブランディング強化
- 認知度の向上
オウンドメディアを運用する目的を定めることで、その目的を達成するためにどのような取り組みをすれば良いか決められるようになります。また、どのような場合を成果とするのか定義しないと、オウンドメディアを運用していく上でユーザーからアクションがあっても成果が出ているかどうかの判断ができなくなります。
さらに成果の定義を曖昧に決めてしまうと、担当者の捉え方が大きく変わってしまうことがあるので、「前年度よりも集客率を10%アップ」「見込み顧客を10件獲得」など、数値を用いてなるべく明確な成果を定めましょう。
オウンドメディアを運用しどのような成果を得ることができるのか確認したい方は下記の記事をご覧ください。
オウンドメディアは意味ない?運用する目的を紹介!
市場調査を行い現状を把握する
オウンドメディアを運用する目的や求める成果を定義したら、次に市場調査を行います。市場調査とは、業界や市場における現状を調査することです。市場調査を行うことによって、最新のトレンド状況を知ることができたり、自社の商品やサービスの立ち位置を把握したりすることができます。自社と市場の現状を知ることで、ゴールとのギャップを認識することができ、目的に合った戦略設計へとつなげられます。
代表的な市場調査の種類として挙げられるのが以下の4つです。
- 販促調査:どのようにすれば販売数量が増えるのかをユーザーに聞く調査
- 価格調査:どれくらいの値段であれば購入するのかをユーザーに聞く調査
- 商品開発調査:新たな商品やサービスを開発するためにどのような要望があるかをユーザーに聞く調査
- ブランドイメージ:自社の商品やサービスが競合他社と比較してどれくらい認知されているのか、どのようなイメージがあるのかをユーザーに聞く調査
そして、市場調査の代表的な手法は、以下の5つです。
- ネット上でアンケートを集計
- 1対1もしくは複数人を対象としたインタビュー
- 街頭やイベント会場などでのアンケート
- お店にバレないように潜入する覆面調査
- 実際に商品やサービスをユーザーから使用してもらい評価や感想を調査するホームユーステスト
上記以外にも市場調査するための手法はさまざまあるため、自分たちに合った方法を選びましょう。市場調査にリソースが割けない場合には、専門の業者に依頼するのがおすすめです。
ターゲットやペルソナを設定する
オウンドメディアを運用する上で、ターゲットやペルソナを設定することが重要です。どのようなユーザーにどのような情報を伝えたいかを明確にすることで、ユーザーにとって質の高いコンテンツとなり、狙った成果が得られやすくなります。
ペルソナでは、最低でも以下の内容を決めましょう。
- 年齢
- 性別
- 住んでいる場所
- 職業
- 家族構成
- 趣味
ただし、最初からペルソナを詳細に設定しすぎてしまうと、情報発信の対象となるユーザーの母数が減少してしまい、成果につながりにくくなる可能性があります。そのため、ペルソナとして設定する項目は、徐々に増やしていくようにしましょう。
現状の立ち位置から現実的なKPIを設定する
ターゲットやペルソナを決めたら、KPIを設定します。KPI(Key Performance Indicator)とは、日本語で「重要業績評価指標」と訳されます。わかりやすく言うと、ゴールにおける中間目標のことです。KPIを設定するためには、最終的なゴールであるKGI(Key Goal Indicator)から逆算して決める必要があります。
KGIとKPIを設定する際には、どちらも数値を用いた具体的な目標にしましょう。また、KPIを設定する際には、現状をしっかりと分析することが重要です。現状を分析しないままKPIを設定してしまうと、実際の立ち位置から大きな乖離が生じてしまいます。
あまりにも高すぎるKPIを設定すると、達成するのが現実的でないと感じてしまい、モチベーションの低下につながる可能性があります。あくまでもKPIは、KGIを達成するための通過点に過ぎません。KPIが達成できなければ、KGIに到達することもできないので、理想のKPIではなく、現実的に適切なKPIを設定しましょう。
オウンドメディアの目的や目標設定について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
オウンドメディアにおけるKPI(指標)の重要性や具体例・設定ポイントについて解説!
KPIを元に運用方法を決定する
KPIを設定したら、最後にオウンドメディアの運用方法を決定します。オウンドメディアの運用方法は、以下の2パターンです。
- 自社で全て運用する
- 外注する
それぞれの特徴を以下の表にまとめてみました。
自社で全て運用する方法
コストがほとんどかからない変更したい内容や改善したい箇所があった場合には、自分たちですぐに対応できるコンテンツの作成やSEO対策・データ分析など、全て自分たちで行わなければいけないため、担当者の負担が大きい専門的な知識やスキルが必要になることがあるため、問題解決までに時間がかるコンテンツ作成におけるクオリティが担保できない可能性がある
外注する方法
クオリティを維持したままコンテンツを作成できるリソースが確保できるようになる自社にノウハウが蓄積されない費用がかかる
自社で全て運用する場合と外注する場合でそれぞれメリット・デメリットがあります。そのため、自分たちに合った運用方法を選びましょう。一部の運用業務を自社で行い、残りの業務を外注するという方法もおすすめです。
オウンドメディアを外注する際の費用について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
オウンドメディアの構築・運用に必要な費用と削減する方法
オウンドメディアの戦略を設計するポイント
オウンドメディアの戦略を設計する際に意識すべきポイントは以下の3つです。
- リソースも考慮に入れてKPIや運用方法を決定していく
- リソースの集中させる場所を間違えない
- KPIはフェーズによって適切なものを設定していく
一つずつ解説します。
リソースも考慮に入れてKPIや運用方法を決定していく
コンテンツの作成やデータ分析など多くの業務があるので、膨大なリソースが必要になってきます。さらに、オウンドメディアで成果を出すためには、長期的に運用しなければいけません。
そのため、社内のリソースを考慮せずにKPIを設定してしまうと、運用途中でリソースが足りないことに気づき、KPIを達成できなかったり戦略通りに運用が実行できなかったりする可能性があります。KPIや運用方法を決めるときには、あらかじめ自分たちのリソースを把握しておくことが大切です。
リソースの集中させる場所を間違えない
オウンドメディアを運用する上でやるべき業務は豊富にありますが、リソースには限りがあります。そのため、KPIを達成するために、どこにリソースを集中させるべきか見極めなければなりません。。
運用においてさまざまな施策を行うことは重要ですが、多くのものに手を付けるとリソースが分散されてしまい、かえって効果が薄れてしまう可能性もあります。
適切な業務にリソースを集中させるためにも、業務内容にあらかじめ優先順位をつけて今取り組むべきことを明確にするのがおすすめです。
KPIはフェーズによって適切なものを設定していく
オウンドメディアを運用する上で、KPIはフェーズによって異なります。
たとえば、オウンドメディアを立ち上げたばかりの状態では、ユーザーからはもちろん、Googleからも認知されていません。そのため、露出度を高めて認知してもらえるようにするためにも、コンテンツ数をKPIとして設定するケースがほとんどです。
コンテンツ数が一定に達した後は、PV(ページビュー)数やUU(ユニークユーザー)数などをKPIとして設定し、最終的には売り上げへと直結するCV(コンバージョン)数を KPIに設定します。
このようにKPIはKGI達成に向けて段階的に変化していくため、KPIツリーを作成して長期的な流れをあらかじめ描いておくと良いでしょう。
オウンドメディアは戦略だけに囚われず運用にも目を向ける
オウンドメディアを運用する際には、戦略だけに囚われてはいけません。運用にもしっかりと目を向ける必要があります。その理由は以下の2つです。
- 実際に運用してみないと正解がわからない
- 運用しながらPDCAを回して改善していくことが重要
順番に解説します。
実際に運用してみないと正解がわからない
オウンドメディアの運用を成功させるためには、細かく戦略を設計することも大切ですが、まずは実際に運用してみましょう。なぜなら、最初に立てた戦略が正しいかどうかは実際に運用した結果を見てみないとわからないからです。
運用してみた結果、当初の戦略通りになることもあれば、設計していた戦略と全く異なる予想外の結果になることもあるでしょう。企業によって、販売している商品やサービス・規模感なども違うので、オウンドメディアの運用において正解というのは存在しません。
運用していくことで気づくこともあるため、戦略が決まったらまずは実行に移してみましょう。
失敗するオウンドメディアの特徴について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
オウンドメディアの運営でよくある失敗や特徴とは?
運用しながらPDCAを回して改善していくことが重要
戦略を設計してオウンドメディアを実際に運用してみた結果から、改善をおこなうことが重要です。運用がうまくいかなかった場合は、戦略が間違っているのか、運用体制が間違っているのかなど原因を分析しましょう。
オウンドメディアで成果を出すためには、数ヶ月のような短期間ではなく、半年〜1年以上の長期間が前提となります。目的の達成に向けて、運用しながら粘り強くPDCAを回して改善していきましょう。
オウンドメディアの運用におけるPDCAは以下の通りです。
- Plan:読者やユーザーに向けたコンテンツの方向性
- Do:企画の実行
- Check:データ分析
- Action:改善して再び実行に移す
定期的にチェックをおこなって戦略を見直すことがおすすめです。
まとめ
本記事では、オウンドメディアの戦略を設計する重要性や実際の設計手順・ポイントなどについて解説しました。オウンドメディアで成果を出すためには、戦略設計が欠かせません。
戦略は企業によって大きく異なるので、自社の状況をしっかり分析した上で設計することが重要です。戦略の設計のやり方がわからない担当者は、本記事を参考にしてみましょう。
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