ホワイトペーパーを作成しているけどなかなか有効なリードが取れない、というお悩みを弊社ではよく伺います。ホワイトペーパーはさまざまな情報をユーザーに届け、リードの獲得にもつながる有効な施策ですが、企画や事前の設計が甘いと工数ばかりがかさんでしまう可能性があります。
この記事では、ホワイトペーパーを展開しているけど有効なリードが取れない、という方に向けて、有効なリードを獲得できるホワイトペーパーの作成方法を解説します。
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有効リードを獲得できるホワイトペーパーとは
前提として、ホワイトペーパーとは文字通り、「白書」で、本来は政府や公的機関が提供する、行政活動の現状や対策、展望をまとめた報告書を指します。マーケティング業界では多くの場合、企業が抱える課題に対して解決策を与えるデータやソリューションをまとめたものを「ホワイトペーパー」と呼んでいます。
弊社では、有効リードを獲得できるホワイトペーパーを「顧客を徹底的に理解してユーザーに態度変容を起こさせるホワイトペーパー」だと定義しています。ターゲットになる顧客が抱えている課題を徹底的に洗い出し、正しく認識したうえで、解決方法として自社サービスを紹介できれば有効リードの獲得につながります。
また、Webサイトにお役立ち情報として、ターゲットユーザーがダウンロードできるように設置すれば、顧客情報が獲得できます。
ホワイトペーパーを作成する目的
ホワイトペーパーを作成する目的は、大きく分けて2パターンです。
リードジェネレーションができる
ホワイトペーパーを作成する目的の1つ目はリードジェネレーションです。リードジェネレーションとは、簡単にまとめると新しい見込み顧客を増やしていくことです。
ホワイトペーパーは、「お問い合わせ」や「サービス資料のダウンロード」と比較して、ユーザーがダウンロードをする心理的ハードルが低いです。そのため、リードを獲得する難易度が比較的低く、新規リード数を創出する施策として非常に有効です。
ホワイトペーパーをダウンロードする際に、フォームに会社名やメールアドレスなどの情報を入力してもらうので、顧客情報が獲得できます。一般的な顧客情報以外にも、現在困っていることや、サービス導入の検討度合いなども合わせて情報を取っておくと、アポや商談につなげやすくなります。
既存顧客へのナーチャリングができる
ホワイトペーパーを作成する目的の2つ目は既存顧客へのナーチャリングです。リードナーチャリングとは、獲得したリードを検討度の高い見込み顧客へ育成することです。
リードを獲得した段階で検討度が高いケースは少ないです。ホワイトペーパーはテーマによってさまざまな検討度合いの顧客向けに情報提供ができるので、リードの獲得だけではなく、その後の育成に使用できます。
ホワイトペーパーは1つ作って終わりではないので、新規のリード獲得向けのホワイトペーパーと、その後の検討度合いに合わせたホワイトペーパーを分けて設置できるとより良いです。
ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーは大きく3種類に分かれます。
- 課題解決型
- 事例紹介型
- 調査レポート型
それぞれ解説します。
課題解決型
企業が抱える課題をあげ、解決策を提示するホワイトペーパーです。一番オーソドックスなホワイトペーパーで、顧客が抱えているであろう課題を取り上げ、その要因や解決策を盛り込んだ内容です。
例として、弊社が作成しているホワイトペーパーでは下記のようなホワイトペーパーが該当します。
- セッション数が増えてもリード数が増えない
- どこからサイト改善に着手すべきか分からない
- サービスサイト、オウンドメディアからのCVを増やしたい
のようなよくある課題を取り上げ、解決策を提示、また弊社のサービスで解決できることを訴求することで、自社サービスを認知してもらうことができ、アプローチをしやすくなります。
事例紹介型
事例紹介型とは、自社サービスによって課題解決した導入事例をホワイトペーパー化したものです。
事例紹介型のホワイトペーパーは、製品導入後にどのように課題が解決されたかをメインに解説するため、課題解決型と比較するとより具体的な解決策を提示できます。Webサイトでの事例紹介ページと同様ですが、ある程度課題がはっきりしている顧客はより知りたい情報のはずです。
そのため、比較的顕在層のユーザーがダウンロードするホワイトペーパーであり、受注にもつながりやすい傾向にあります。
調査レポート型
調査レポート型は顧客が疑問に思っていたり、知りたいと思っていることをデータをもとに解決するホワイトペーパーです。政府関連団体・業界団体によって発行された調査レポートを要約したり、自社でアンケートなどのデータを使って作成します。
例えば、弊社であれば業界ごとのエンドユーザーが利用しているデバイスや検索エンジンの利用状況などのアンケート調査したものをホワイトペーパーにするなどです。
比較的潜在層向けのホワイトペーパーで、幅広いユーザーの関心を集められます。プレスリリースへの利用や、SNSでシェアされるなどで、認知を獲得できます。
ホワイトペーパーを作成する前に押さえておくべきポイント
ホワイトペーパーは突然思い立って作成に踏み切るものではありません。事前に押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、ホワイトペーパーを作成する前に確認したいことを解説します。
有効リードとなるペルソナを明確にする
ホワイトペーパーを作成する前に、有効リードとなるペルソナはどんな人かを明確にしておく必要があります。
企業にもよりますが、マーケティング活動に関わる人は複数人存在するケースが大半です。そのため、どんな人が有効リードになるかをペルソナとしてしっかり設計し、マーケティングに関わる人物間で共通認識を持っていないと、ホワイトペーパーを作成する人ごとに狙うべきペルソナがバラバラになってしまいます。
有効リードにホワイトペーパーを届けて価値を感じてもらうには、事前に有効リードがどんな人かを定義づけておくのは必須だと言えます。
余談ですが、特にBtoBの場合は企業ペルソナと個人のペルソナの両方を設定しておきましょう。最終的に顧客になるのは「法人」になりますし、実際に情報と接点を持つのは企業に属する「担当者」になるからです。
ペルソナ設計については、下記の記事で詳しく解説しています。
階段設計を明確にする
ホワイトペーパーを作成する前に、階段設計を明確にしましょう。
認知~商談や受注までにユーザーが抱える悩みや検討度は異なります。そのため、事前にどのようなテーマがどのフェーズに向けたコンテンツなのかを事前にしておく必要があります。この定義をする際に役立つのが階段設計です。
階段設計が明確になっていれば、どのフェーズで課題に対してどのようなテーマでアプローチすれば良いかも明確になります。いきなりホワイトペーパーの企画に入るのではなく、まずは「どんな人」が「どのようにして」認知~商談に至るのかを明確にしておきましょう。
より詳細な階段設計を行うために、できればカスタマージャーニーも作成しておきましょう。設計したペルソナが、製品認知~製品導入までにどんな流れで情報と接点を持つかが可視化されます。
カスタマージャーニーも別の記事で解説しています。
【テンプレ付き】有効リードを獲得できるホワイトペーパーの作り方
ここからは具体的なホワイトペーパーの作り方について解説します。
作成用のテンプレートも用意しているので、ぜひホワイトペーパーの企画に役立ててください。
ステップ1:ペルソナの設計を行う
前述の通り、まずはペルソナを設計しましょう。
下記は弊社が作成したサンプルです。
弊社の場合はBtoBになるので、企業ペルソナと個人ペルソナを設計しています。まずはテンプレートに沿って入力を進めてみてください。できれば1人で作らずに、営業やカスタマーサクセスにも意見をもらって反映できると良いです。
ペルソナ設計についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
ステップ2:ホワイトペーパーのテーマを決める
ペルソナが決まったらホワイトペーパーのテーマを決めます。対象となるペルソナがどんな情報がほしいのか、それを解決できるテーマにしなければなりません。
ペルソナの欲しい情報は前述の階段設計でどのフェーズにいるのかによっても変わります。改めて設計したペルソナと階段を見直して、ペルソナの欲しがる情報と乖離がないか確認しましょう。もしペルソナが欲しい情報が現在の自社内に存在しないなら、追加調査なども必要になってきます。
場合によっては、せっかくペルソナや階段設計ができて、テーマまで決まっても執筆ができないということもありうるので、テーマの決定は綿密に行いましょう。
ステップ3:ホワイトペーパーの要件を決める
続いて、ホワイトペーパーの要件を決めます。階段設計上のどのタイミングで、どのような価値を提供していくのかを設定します。ざっくり説明すると、ホワイトペーパーで伝えるべき情報の概要を設定します。
テンプレを使用した作成例です。
この段階で、作成したホワイトペーパー上でのCVポイント、DL後に顧客にどんな行動を起こしてもらうかまで設定します。
また、ホワイトペーパーのタイトルも、ここで決めておくと良いでしょう。
ステップ4:ホワイトペーパーの構成を設計する
要件が定まったら、次に構成を作成します。
記事コンテンツと同じように、ライティング前に各項目と、大まかな内容をまとめておきます。日頃からライティングに関わっている方は覚えのある作業かもしれません。
構成案は本でいう目次のようなものです。大項目や中項目は見出しとして、各スライドのタイトルなどに設定されます。
後述しますが、ホワイトペーパーの制作には、複数人が関わる可能性があります。制作に関わる人物間でブレが発生しないように、ホワイトペーパーの要件と構成は事前に定めておくことをおすすめします。
ステップ5:ライティングとデザインを行う
構成まで固まったらライティングとデザインに移ります。
具体的なライティングやデザインの手法まではここでは言及しませんが、ライティングに関しては1ページで1メッセージを心がけ、ユーザーに伝わりやすく、有益な情報を与えられるように執筆しましょう。
デザインに関してもただきれいなだけではなく、テキストを補助する形で図解などを効果的に使えるとより理解度が高まります。
ホワイトペーパーを作成する際のポイント
ここからは、ホワイトペーパーを作成する際のポイントについて解説します。下記の4つになります。
- ユーザーのニーズを捉えたタイトル設計を行う
- 専門用語を使いすぎない
- ユーザーの期待に応えるだけのボリュームを担保する
- 自社のナレッジや一次情報を盛り込む
ユーザーのニーズを捉えたタイトル設計を行う
ホワイトペーパーはユーザーに読んでもらわなければ効果がないので、まずはダウンロードしてもらう必要があります。ダウンロードを促すには、ユーザーのニーズに答えられるタイトル設計でユーザーを引き付けなければなりません。
当然ながら、ユーザーは実際にホワイトペーパーをダウンロードするまで中身がわかりません。ユーザーが抱えている課題や悩みを解決できるものかどうか、その判断ができるタイトルを設定しましょう。
記事ページのタイトルの決め方と似通っている部分もありますが、ホワイトペーパーの場合はSEOをあまり加味しないので、文字数の制限などもなく比較的自由度が高いです。とはいえ、長すぎるタイトルは伝えたいメッセージがブレやすいので、短く、伝わりやすい言葉でタイトルを設定するのがおすすめです。
SEOのタイトル設定とホワイトペーパーのタイトル設定は若干異なりますが、考え方は似ている部分が多いです。参考までに、SEOに強いタイトルの付け方を別記事で解説しているので、気になる方はこちらも確認してください。
専門用語を使いすぎない
ホワイトペーパーを作成する際、専門用語を使いがちですが、ユーザーが専門用語を知っているとは限りません。極力専門用語は使わずに、知識が浅い方にも伝わるような言葉を選びましょう。
幅広いユーザーに伝わる言葉でホワイトペーパーを作成したほうが満足度が高いですし、続けて他のホワイトペーパーをダウンロードしてもらえる可能性も高まります。可能な限り、専門用語は避けてホワイトペーパーを作成しましょう。
ユーザーの期待に応えるだけのボリュームを担保する
ホワイトペーパーは最適なボリュームで作成しましょう。最適なボリュームとは、ユーザーの期待に応えられる情報量です。
長すぎると読んでいて疲れてしまい、最後まで読まれない可能性があります。逆に短すぎると、ユーザーにとっては欲しい情報を手に入れられずに終わってしまい、価値のあるホワイトペーパーだと思ってもらえない可能性があります。
ユーザーの期待に応えられるボリュームは、設定したペルソナやホワイトペーパーのテーマによって変動します。迷ったら設定したペルソナが期待することはなにか、それに応えられているかどうかの視点で完成したものをチェックすると良いでしょう。
自社ならではの一次情報を盛り込む
ホワイトペーパーは、ユーザーにとって有益な情報が掲載されていたほうが喜ばれます。自社でしか持っていない、ほかでは公開されていない一次情報を盛り込むと有益に感じられやすいです。
弊社はSEO、広告などWebマーケティングが主な事業になりますが、運用上で得られた実体験などを元にすることが多いです。どのようなことを考えて、どのように実践し、どのような結果が得られたかを中心に情報を盛り込み、作成しています。
このような実体験や、そこから得られたデータなどを元にすると、一次情報として展開しやすくなります。
ホワイトペーパー作成の工数を削減するには
ホワイトペーパーの作成は、記事の作成などと比べると工数が多く、時間がかかります。ホワイトペーパー作成の時間を削減する方法を、弊社で行っていることも踏まえて解説します。
既存のコンテンツを活用する
既存のコンテンツを活用してホワイトペーパーを作成すると、大幅に工数を削減できる可能性があります。
弊社であれば、オウンドメディアの記事、セミナーの資料やアーカイブ、社内の研修資料、既存のサービス資料、他のホワイトペーパーなどを活用してホワイトペーパーを作成しています。これらの既存コンテンツを活用してホワイトペーパーを作成すれば、一から作成するよりも大幅に工数を削減できます。
もちろん、すべてがホワイトペーパーに活用できるわけではありませんが、企画と合致するコンテンツを持っている場合は、積極的に活用するべきです。
分業制にする
ホワイトペーパーの作成を一人ですべて行うのは時間がかかります。しかし、ホワイトペーパー作成の作業を細分化すると、
- 企画
- ライティング
- デザイン
という形に、分けられます。
それぞれの領域が得意な人に担当してもらうなど、分業制で作成すると工数の削減になります。弊社でも執筆を行う人とデザインを行う人は別です。
もし、社内に得意な人がいない場合は、例えばデザインだけ外注にするなど、一部だけ外部に依頼するのもひとつの手です。
ホワイトペーパーを作成した後に見るべき指標
ホワイトペーパーは作って終わりではなく、公開後に効果検証を行わなければなりません。最後に、ホワイトペーパー作成後に確認するべき指標について解説します。
流入してくるユーザー属性
ホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーが自社の狙っているユーザーかどうかを確認しましょう。あらかじめ、欲しいユーザーの定義や基準を設定しておく必要があります。
多くのユーザーにホワイトペーパーをダウンロードしてもらっても、売りにつながるユーザーでなければ意味がありません。ダウンロード時にフォームに入力された情報から獲得したユーザーが、企画を行った際に狙っていたユーザーかどうかを確認しましょう。もしズレている場合はコンテンツの修正が必要です。
アポイント獲得率
リードの発生から直接アポイントを獲得しているかどうかを確認しましょう。
ホワイトペーパーの作成を進めて数が増えていくと、アポイントを獲得しやすいホワイトペーパーを洗い出すこともできます。アポイントの獲得率がわかれば、どのホワイトペーパーを優先的にダウンロードしてもらうべきかが明確になります。
商談率
アポイントの獲得率と同様に、商談率も見ておきましょう。商談率も高いものがわかれば、優先的にダウンロードを促すなどの施策が実施できます。
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ホワイトペーパーは有効なリードを獲得するためのひとつの手段ですが、やみくもに作成しても工数だけが増えてしまい、有効な施策にならない可能性があります。
ホワイトペーパーだけではなく、Web上のコンテンツや、営業用の資料にも言えることですが、誰に、どんな情報を届けるのかが事前に決まっていないと、有効なリードを獲得できる施策にはなりません。有効なリードを獲得するために、ペルソナが求めている情報がなにかをしっかり分析し、ホワイトペーパに落とし込んだうえで、公開後は取得できたデータを活用してさらなる改善も行わなければなりません。
弊社では比較的安価でホワイトペーパー制作の代行を行っております。もしホワイトペーパー施策がうまくいかずにお困りの方はぜひお気軽にご相談ください。
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SEOコンサルティング
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