ホームページは、企業にとって自社をアピールしたり、知名度を上げるために大変重要なツールといえます。しかし、ホームページの運用に際して「ホームページの制作・リニューアルが必要になったものの、費用感がわからない」「何が原因で費用が変動するのか知りたい」といった疑問を抱える企業もあることでしょう。
本記事では、ホームページ制作費用の相場や変動要素、費用を下げるためのポイントをご紹介します。ぜひ、ホームページ制作を依頼する際の参考としてください。
- ホームページの制作費用相場
- ホームページ制作の費用を下げるポイント
ホームページの制作費用は要件によって大きく変動する
ホームページの制作費用は、どのような目的で、どのような規模のサイトを作りたいのか、といった依頼要件によって大きく変動します。
デザインや機能がシンプルであればあるほど費用は安くなり、複雑で多機能のものほど費用は上がっていきます。
制作したいページ枚数も、費用を決定する要素の1つです。10ページの依頼をする場合と100ページの依頼をする場合とでは、後者のほうが制作や更新の手間が大きくなるため、費用の総額は当然高くなります。
また、ホームページ制作の依頼先としては、ホームページ制作会社や広告代理店、フリーランスとさまざまな方法がありますが、どの会社に依頼するかによっても費用は異なります。
それぞれに異なる特徴がありメリット、デメリットも変わるため、総合的に判断し、自社に適した依頼方法や内容を選択するとよいでしょう。
ホームページ制作費用を左右させる要素
ホームページ制作費用を変動させる代表的な要素は、以下の3つです。
- ホームページの制作の依頼先
- 制作するサイトの目的
- サイトの規模・ページ数
基礎知識として、まずはそれぞれの大まかな特徴を見ていきましょう。
各項目の費用感や特徴については別の章で後述します。
ホームページの制作の依頼先
ホームページ制作の依頼先は、「制作会社」「広告代理店・コンサル会社」「フリーランス」の3つが一般的です。また、CMSを利用して自社で制作する方法もあります。
どの方法を選択するかによって費用相場も、特徴も、大きく変わります。
たとえば、ホームページ制作会社に依頼する場合、ホームページ制作を専門として請け負っている分とくに技術力が高く、細部までこだわり抜いたサイトを制作してもらいやすいことがメリットです。一方で、ホームページ単体の制作費用は高くなる傾向にあります。
フリーランスに依頼した場合は、制作費用は比較的安くなるものの、完成までに時間がかかり、できることにも限度があるかもしれません。
このように各依頼先にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、それらを理解した上で自社に適した方法を選択することが大切です。
制作するサイトの目的
制作するサイトの目的も、費用に影響を与える要素です。
制作目的によって必要なデザインや機能は変わるものですが、デザインや機能にも多様な種類があり、どれを選択するかによって大きく費用が異なります。
たとえば、コーポレートサイトであれば、基本的な企業情報や採用情報、サービス情報、問い合わせフォームといった比較的簡素な要素で設計されることが一般的です。それほど複雑な機能は必要としないため、費用も安くなります。
一方で、サービスサイトやショッピングサイトの場合、ログイン機能やカート機能、デモ画面などより複雑性の高い機能を多く必要とするため、費用も高くなりやすいです。
サイトの規模・ページ数
サイトの規模も、ホームページ制作費用に影響を与えることが多いです。
掲載したい情報が多くなるほどページ数も増えますが、必要なページ数が多くなるほど制作費用も高くなります。
たとえば、10商品しかないECサイトと100商品あるECサイトとでは、用意すべきページ数も変わります。1商品につき1ページと仮定すれば、10商品では10ページ、100商品では100ページが必要です。
別の例としてコーポレートサイトを挙げると、上場企業であればIR情報などが必要となり、自ずとページ数も多くなるでしょう。
ホームページ制作費用の相場
ホームページ制作費用の相場を、依頼先、目的、規模に分けて解説します。同じ区分であっても、どの企業に依頼するのか、プラン内容によって費用は大きく異なります。
大まかな目安として、参考にしてください。
【依頼先別】ホームページの制作費用の相場
前述したように、ホームページ制作の依頼先には、「制作会社」「広告代理店・コンサル会社」「フリーランス」が挙げられます。そのほか、自主制作するという企業もあるでしょう。
制作会社 | 中小:30万円~100万円程度大手:100万円~ |
広告代理店・コンサル会社 | 100万円~500万円程度 |
フリーランス | 10万円~20万円程度 |
自主制作 | CMSの導入費用:数万円~月額利用料:5,000円~30万円程度 |
各依頼先の費用感やメリット、デメリットについて、詳細を解説していきます。
制作会社に依頼する場合の費用
ホームページ制作会社に依頼する場合の費用相場は、以下のように制作会社の企業規模によって変わることが多いです。
中小規模:30万円~100万円程度
大規模(大手):100万円~
大規模な企業ほど、抱える人材の数が多くなり人件費や設備費も高くなるため、費用も上がります。
制作会社に依頼する場合は、規模にかかわらず、経験豊富で技術力に長けたスタッフが多い傾向にあり、ホームページの品質も高くなることがメリットです。
一方、ホームページ制作の専門性が高い分、料金が高くなりやすいのはデメリットでしょう。
代理店・コンサル会社に依頼する場合の費用
各種広告媒体への広告出稿を支援する広告代理店や、マーケティング全般に豊富な知見を持つコンサル会社へ依頼するパターンもあります。
広告代理店・コンサル会社に依頼する際の費用相場は、以下のとおりです。
広告代理店・コンサル会社の費用相場:100万円~500万円程度
また、広告代理店・コンサル会社がホームページ制作を受託する際には、ホームページ制作会社に別途委託することが多いですが、その制作費の約2割~5割の仲介手数料が費用として発生する形式のところもあるようです。
広告代理店・コンサル会社のメリットは、ホームページ制作後の集客までを支援してくれ、公開後に早い段階でアクセスが集まることに期待できる点でしょう。ただし、仲介手数料や広告出稿・コンサル費用などによって、トータルの依頼費用がかさみやすい点はデメリットです。
フリーランスに依頼する場合の費用
個人でホームページを受託しているフリーランスに依頼する方法もあり、フリーランスに依頼する場合の費用相場は以下のとおりです。
フリーランスの費用相場:10万円~20万円程度
フリーランスのWebデザイナーやコーダーへの依頼は、費用が格安な傾向にあることが大きなメリットです。ただし、費用が安い分、技術力や実績、サービス品質が不十分であることも少なくありません。経験・スキルが不足しているためにクライアントの要望に応えられなかったり、個人が副業として受託していることでスムーズに連絡が取れなかったりすることも考えられるでしょう。
CMSを利用した自主制作の場合の費用
CMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)とは、プログラミングやデザインの専門知識・スキルがなくても、ホームページを制作・管理できるシステムです。
CMSを利用し自主制作した場合の費用相場は、以下のとおりです。
CMSの導入費用:数万円~
月額利用料:5,000円~30万円程度
CMSでホームページを制作する際には、ノーコードツールが使われます。ノーコードツールは、「STUDIO」「ペライチ」「Wix」「ジンドゥー」などが代表的です。
CMSを利用する場合のメリットは、自社で簡単にホームページを制作できる点や費用が抑えられる点です。
一方で、担当者が基本操作を覚えるまでに時間がかかり、Webサイトの基本構造などを設定・変更するにはある程度の知識とスキルが必要となりますプロに外注する場合と比較し、デザインや機能が劣る点もデメリットでしょう。
【目的別】ホームページの制作費用の相場
ホームページは目的によって制作すべき種類も費用も変わります。
ホームページの種類としては、「コーポレートサイト」「サービスサイト」「採用サイト」「ECサイト」「オウンドメディア」が代表的です。
各依頼先の特徴や費用感について見ていきましょう。
コーポレートサイト | テンプレートで制作:20万円~50万円程度オリジナルデザインで制作:50万円~100万円程度 |
サービスサイト | 簡単な紹介のみをしたい場合:10~50万円程度サービスをしっかり説明したい場合:50~100万円程度デザインにこだわり、集客やブランディングもしたい場合:100~300万円程度 |
採用サイト | 必要最低限の情報のみを掲載する場合:10万円~40万円本格的な採用サイトを制作する場合:50〜150万円程度 |
ECサイト | 小規模なもの:100万円以下中規模なもの:200~500万円程度大規模なもの:500万円以上 |
オウンドメディア | 簡易なものを制作する場合:無料~50万円程度本格的なものを制作する場合:50万円~100万円程度 |
それぞれの詳細を解説していきます。
【コーポレートサイト】制作費用の相場
コーポレートサイトとは、消費者や顧客、求職者に向けて、自社がどのような企業であるかを伝えるサイトです。
コーポレートサイトの制作費用の相場は、以下を参考にしてください。
- テンプレートで制作:20万円~50万円程度
- オリジナルデザインで制作:50万円~100万円程度
WordPressなどCMSのテンプレートを利用する場合は、デザインやレイアウトがある程度用意されており、必要最低限の機能もすでに搭載されているため、制作費用は安くなります。
一方、オリジナルデザインで制作すると、0からオリジナルのデザインやレイアウトをフルカスタマイズで制作することになるため、費用が高くなります。
【サービスサイト】制作費用の相場
サービスサイトとは、企業の商品・サービスの紹介をすることに特化したサイトを指します。
サービスサイトの制作費用相場は、以下のとおりです。
- 簡単な紹介のみをしたい場合:10~50万円程度
- サービスをしっかり説明したい場合:50~100万円程度
- デザインにこだわり、集客やブランディングもしたい場合:100~300万円程度
TOPページやサービス紹介ページ、お問い合わせページのみなど数ページ程度のシンプルなデザインの場合は、費用が安くなります。一方、TOPページやサービス紹介ページに加えて、コラムや施設紹介、お客様の声など掲載するコンテンツが多くなるほど、費用は高くなります。
【採用サイト】制作費用の相場
採用サイトは、求職者向けに企業の情報を伝えるサイトのことです。
制作費用の相場は、以下を目安としてください。
- 必要最低限の情報のみを掲載する場合:10万円~40万円
- 本格的な採用サイトを制作する場合:50〜150万円
会社情報や沿革、求人情報といった基本的な情報のみを掲載し、デザインにもとくにこだわりがない場合は、10万円~制作できます。代表者や先輩社員へのインタビュー、業務紹介、対談動画など掲載するコンテンツが増える場合や、他社にはない独自のデザインにしたい場合には、当然費用も高くなります。
【ECサイト】制作費用の相場
ECサイト(通販サイト)の構築をする場合の費用相場は、以下のとおりです。
- 小規模なもの:100万円以下
- 中規模なもの:200~500万円程度
- 大規模なもの:500万円以上
楽天市場やYahoo!ショッピングなどのモール・ASPを活用したECサイト構築の場合、用意されているテンプレートデザインに素材を挿入するだけで完結するため、比較的費用を安く抑えられます。
一方で、モールやASPを活用せずに、オリジナルデザインのサイトを構築したい場合や、自社システムとの連携、運営サポートも依頼する場合には、費用がかさむでしょう。規模が大きくなるほど機能が複雑になり、高度なセキュリティが求められるようになることも、費用が高くなる理由の1つです。
【オウンドメディア】制作費用の相場
オウンドメディアとは、企業が保有するメディアを指します。
オウンドメディアの制作費用の相場は以下が目安です。
- 簡易なものを制作する場合:無料~50万円程度
- 本格的なものを制作する場合:50万円~100万円程度
オウンドメディアの相場は、依頼範囲によって費用が変動します。小規模なサイトの制作だけを依頼する場合は数万円から制作できますが、大規模なサイトのコンテンツ設計から依頼する場合は、費用が高くなるでしょう。
ただサイトを作るだけでなく、集客やブランディングも本格的におこないたい場合も、戦略立案やオリジナルデザインの考案などに費用がかかります。
【規模別】ホームページの制作費用の相場
ホームページの制作費用は規模によっても変動します。
小規模サイト | 30万円以下 |
中規模サイト | 60万円~ |
大規模サイト | 500万円~ |
小規模サイト、中規模サイト、大規模サイト、それぞれの特徴を解説します。
【小規模サイト】制作費用の相場
小規模サイトの制作費用相場は、30万円以下が一般的です。
小規模サイトは、会社に関して必要最低限の情報を提供するためのサイトで、ページ数は大体10ページ以内となるでしょう。
トップページや会社概要、お知らせ、サービス紹介、お問い合わせといった基本的なコンテンツで構成されます。規模が小さくCMSを使用することが一般的なため、小規模サイトの制作費用は安くなりがちです。
【中規模サイト】制作費用の相場
中規模サイトの制作費用相場は、60万以上が目安です。
中規模サイトは、会社やサービスについてしっかりと説明したい場合に使用されるサイトで、ページ数は大体30ページ前後が一般的でしょう。
中規模サイトでは、トップページや会社概要、お知らせのほか、商品やサービスの詳細ページ、採用情報などで構成されます。
小規模サイトよりさらに自社の特徴や魅力をしっかりと知ってもらい、商品やサービス、採用に関するお問い合わせを得ることを目的としています。
【大規模サイト】制作費用の相場
大規模サイトの制作費用相場としては、500万円以上になることが多いでしょう。
大規模サイトでは、中規模サイト以上にさまざまなページや機能を設けます。たとえば、予約管理機能や口コミ投稿機能、レコメンド機能など、企業の事業内容に合わせて利便性の高い機能が実装されるのが一般的です。サイト内の掲載情報やコンテンツ数が増えるため、制作ページ数も60ページ〜と多くなり、その分費用もかさみます。
サーバー実装費用も、大規模サイトの費用が高くなる要因の1つです。サイトの規模が大きくなると、取り扱うデータ量が増え、アクセス数も数万、数十万といった具合に大規模になります。
サーバー側もそれに耐えられる容量や性能のものを実装する必要があり、その費用が高くつくのです。
ホームページ制作にかかる費用の内訳
ホームページ制作にかかる費用の内訳は、以下の2つに分けられます。
- ホームページ制作自体にかかる費用
- ホームページ制作以外にかかる費用
それぞれのケースにおける費用相場を見ていきましょう。
ホームページ制作自体にかかる費用
ホームページ制作自体にかかる費用には、デザイン費用やディレクション費用、コンテンツ費用、コーディング費用、システム費用が挙げられます。
デザイン費用 | トップページ:10万円~20万円程度下層ページ:1万円~5万円程度 |
---|---|
ディレクション費用 | 5万円から20万円程度見積総額の10%〜30%程度 |
コンテンツ費用 | テキスト:1文字0.5円程度~数円程度動画:10万円~200万円程度画像:数千円~50万円程度 |
コーディング費用 | 1ページあたり1.5万円〜6万円程度 |
システム費用 | 2~3万円程度 |
各項目の詳細を解説します。
ディレクション費用
ディレクション費用とは、ホームページ制作の進行管理(ディレクション)に支払われる費用です。
ディレクション費用の算出は、見積総額に一定の割合(%)をかけて算出する方法と、ディレクション業務の日数に応じて算出する方法の2つがあります。
- 見積総額に一定の割合(%)をかけて算出する場合:5万円から20万円程度
- ディレクション業務の日数に応じて算出する場合:見積総額の10%〜30%程度
どちらの方法を採用するかは、会社によって異なります。
デザイン費用
デザイン費用とは、Webページのレイアウトやデザインを制作するのに必要な費用です。
デザイン費用の相場は、以下を参考にしてください。
トップページ:10万円~20万円程度
- トップページ:10万円~20万円程度
- 下層ページ:1万円~5万円程度
Webページは、Webサイトの入り口となる「トップページ」と、コンテンツを掲載する「下層ページ」に分けられますが、各ページには異なる単価が適用されます。トップページはWebサイトの第一印象を決める重要な役目を果たすため、デザインや機能に手間をかけることが多く、価格帯も高くなりがちです。
下層ページも、機能やデザインの仕様に応じて費用が大きく変動しますが、トップページよりもシンプルなものになることが多いでしょう。また、テンプレートが利用されることも多いため、制作負荷が少なくなりやすく、費用はトップページよりも安くなります。
コンテンツ費用
コンテンツ費用とは、テキスト、画像、動画といった素材をWebページに組み込む作業に必要な費用を指します。
コンテンツ費用の大まかな目安は、以下のとおりです。
- テキスト:1文字あたり0.5円~数円程度
- 画像:1枚あたり数千円から50万円程度
- 動画:1動画あたり10万円から200万円程度
コンテンツ費用は、とくに金額が変わりやすいことが特徴です。自社で内製したりフリー素材(画像)を利用すればコストを抑えられますが、プロに外注する場合に比べて品質は劣ってしまうことでしょう。一方でプロに外注すれば、費用はかさむものの独自性や専門性に長けたコンテンツを制作してもらいやすく、画像や動画も洗練されたものになりやすいです。
コーディング費用
コーディング費用とは、「HTML」や「CSS」といったプログラミング言語を用いてWebページの構築をおこなうのに必要な費用です。
コーディング費用の相場は、以下を参考にしてください。
- トップページ:1万~4万円程度
- 下層ページ:5,000~2万円程度
- 派生ページ:1,000~5,000円程度
- レスポンシブ対応:上記コーディング費の1.5~2倍程度
- JavaScriptの実装:上記コーディング費の1.5~2倍程度
コーディング費用は、ページ種別や1ページあたりの長さ(px)、作り込み度合いによって大きく変わります。前述したCMSを使用する場合は、HTMLやCSSを自身で記述せずともWebページ制作ができるため、基本的にコーディング費用は発生しません。
システム費用
システム費用とは、各種機能の実装に生じる費用です。
システム開発の代表例としては、「お問い合わせフォーム(メールフォーム)」「検索システム」、「アニメーション」「ECショップ化」が挙げられます。
それぞれの大まかな費用相場は、以下のとおりです。
- お問い合わせフォーム:1万円~5万円程度
- アニメーション:数万円~
- ECショップ:30万円~500万円程度
- 検索システム:50万円~
システム開発は必須ではないものの、実装されていればWebサイトの利便性が高まるため、多くの企業で取り入れられています。
ホームページ制作以外にかかる費用
ここまで、ホームページ自体を制作する際に必要な各種費用をご紹介してきましたが、ホームページを制作し運用していく上では、レンタルサーバー費用などの諸費用も別途発生します。
レンタルサーバー費用 | 数百円~5,000円程度(月額) |
SSL費用 | ドメイン認証型:無料~数千円程度(年額)企業認証型:5万円~8万円程度(年額) |
ドメイン費用 | 1,000円~5,000円程度(年額) |
保守運用管理費用 | 保守管理:数千円~20万円程度(月額)運用管理:1,000円〜5,000円程度(月額) |
SEO対策費用 | 月額固定型の場合:概ね10万円以上(月額)成果型報酬の場合:数万円程度(達成時) |
各費用の基礎知識や変動要素についても、押さえておきましょう。
レンタルサーバー費用
レンタルサーバー費用は、その名のとおりレンタルサーバー提供会社からサーバーをレンタルをするのに必要な費用です。
費用相場は、以下が目安となります。
- レンタルサーバー費用:数百円~5,000円程度(月額)
サーバー費用は、利用できるサーバー容量や機能によって変動するのが一般的です。
レンタルサーバーの代表例としては、「エックスサーバー」「ロリポップ!」「さくらインターネット」などが挙げられ、サーバーをレンタルすることでWebページを公開できます。
SSL費用
SSL費用とは、データを暗号化してホームページのセキュリティを向上させるのに必要なSSLを実装する際に生じる費用です。
SSLの費用相場は、以下を参考にしてください。
- ドメイン認証型:無料~数千円程度(年額)
- 企業認証型:5万円~8万円程度(年額)
ドメイン認証型は、ドメインの所有権のみを認証するもので、ドメインの所有者が誰であるかまでは認証されていません。一方で企業認証型は、ドメインの所有権に加えて、申請した組織が実在することを認証するものです。企業認証型のほうが、よりセキュリティが向上し、サイトの信用度も高くなります。
企業認証型の料金がドメイン認証型よりも高くなるのは、認証局が発行のために手間をかけることが主な理由です。
ドメイン費用
ドメイン費用は、ホームページのドメインを借りるのに必要な費用です。
ドメインとは、ホームページの住所のようなものを指し、Webサイトがどこにあるかを判別する情報として利用します。たとえば、「https://〇〇.com」の「〇〇.com」の部分が、ドメインに該当します。
ドメイン費用の相場は、以下のとおりです。
- ドメイン費用相場:1,000円~5,000円程度(年額)
ドメインには「.com」「.net」などさまざまな種類がありますが、各ドメインの料金が異なるのは原価が異なることに起因します。国内ドメイン販売会社はアメリカなどの企業のレジストリからドメインを仕入れていますが、レジストリによってドメインの原価が異なるため、販売料金も変わってくるのです。また、人気の高いドメインほど、料金が高くなる傾向にあります。
保守運用費用
保守運用費用は、保守費用と運用費用で構成されています。保守費用とは、CMSツールのメンテナンスやセキュリティ対策、バグ対応といった「Webサイトの保守(メンテナンス)」にかかる費用です。一般的に、システム開発費用の5~15%といわれています。
一方「運用費用(更新費用)」は、ホームページのテキストや写真更新などの「コンテンツ更新」に必要な費用を指します。
それぞれの費用相場は、以下のとおりです。
- 保守費用の相場:数千円~20万円程度(月額)
- 更新費用の相場:1,000円〜5,000円程度(月額)
サイト規模が大きくなるほど、Webサイト全体のメンテナンスの手間や時間が多く必要となるため、費用も高くなります。
SEO対策費用
SEO対策費用とは、Googleなどの検索エンジン上で自社のホームページを上位に表示させるための施策に必要な費用です。SEO対策費用の料金形態には月額固定型と成果報酬型の2つがあります。
それぞれの相場は、以下を参考にしてください。
- 月額固定型の場合:概ね10万円以上(月額)
- 成果型報酬の場合:数万円程度(達成時)
SEO対策には、「内部SEO」「外部SEO対策」「コンテンツSEO」「SEOサイト設計」などの種類がありますが、どの対策を依頼するかによっても料金は変わります。
SEO対策内容が充実するに伴って、料金も高くなるでしょう。
ホームページ制作費用を下げるためのポイント
ホームページ制作費用を少しでも抑えるためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
- 素材を自社で用意する
- テンプレートを活用する
- ある程度自社で要件定義をしておく
素材の制作から依頼したり、フルカスタマイズで0から制作をしてもらったりすると、費用はかさんでしまうものです。その点、素材を自社で用意する、テンプレートを活用する、といった方法を採用すれば、費用は抑えられます。
素材を自社で用意する
ホームページの制作費用を抑えたい場合には、写真やイラスト、動画、テキスト、ロゴといった素材を自社で用意することがおすすめです。
素材が何もなければ制作会社に用意してもらうことになりますが、素材単体の費用に加えて代行分の手数料も上乗せされるため、素材用意の費用は高くなる傾向にあります。
その点、自社で社員の写真や会社の写真を用意したり、ホームページに掲載するテキストを用意したりすることで、費用をだいぶ抑えられるでしょう。たとえばイラストや画像は「イラストAC」などを利用すれば、少額で用意ができます。
テンプレートを活用する
ホームページ制作費用を抑えるためには、デザインやレイアウトの大枠が用意されてある「テンプレート」を活用するのもよいでしょう。
依頼先の企業によっては複数のテンプレートを持っていることがあり、WordPressなどのCMSにおいてもテンプレートが無料・有料で配布されています。
テンプレートを活用することで、0からデザインやレイアウトを制作する必要がなくなり、費用の大幅な削減が可能です。
ある程度自社で要件定義をしておく
ホームページ制作費用を安くしたい場合には、あらかじめ自社で要件定義をしておくことも有効です。
サイトの要件が決まっていなければ、要件定義から依頼することになり、その分費用も高くなります。
また、自社のWebサイトには何が必要で何が不要なのかを明らかにできていなければ、本来は必要のない機能やオプションを提案されるがままに付けてしまうリスクも考えられるでしょう。不要な支出を減らすためにも、要件定義は役に立つはずです。
どのようなサイトを制作したいのか、どのような情報を何ページくらいの規模で入れたいのかを、依頼前に定義しておきましょう。
まとめ
ホームページ制作費用は、制作の依頼先や制作するサイトの目的、サイトの規模によって大きく変動します。
制作会社、広告代理店・コンサル会社、フリーランスの中でどこに依頼するか迷った場合には、前述したメリット、デメリットを比較検討し選択するとよいでしょう。
簡素なホームページで十分であれば、CMSを活用して自社で制作するのも1つの手段です。
本記事でご紹介した内容を参考に、自社に適したホームページ制作の依頼先や依頼内容は何かをご検討ください。