品質スコアとは?広告成果を向上させる4つの対策を初心者向けに解説

本記事でわかること
  • 品質スコアが広告成果へ与える影響
  • 品質スコアの確認方法
  • 品質スコアを上げる対策法

リスティング広告の運用をおこなっている担当者の中には、「品質スコア」を気にされている方も少なくないことでしょう。リスティング広告において費用対効果を最適化していく場合、「品質スコア」について多くの誤解があるようです。

結論からお伝えすると、品質スコアは目安の1つに過ぎないため、担当の方は品質スコアの向上を大きな目的としないほうが賢明といえます。

担当の方が注力するべきことは、あくまで指標の1つでしかない「品質スコア」を高めるのではなく、「広告ランク」と「広告の品質」を高めることです。

この記事では、品質スコアとは何なのかといった基礎的な情報や、どのように品質スコアを捉え、向き合えばよいのかといったポイントについて解説していきます。

目次

品質スコアとは

品質スコアとは、キーワードに対する広告の品質を1〜10段階で評価する診断指標を指します。しかし、品質スコアはあくまで品質の目安であり、実際の広告の質ではない点には注意が必要です。

品質スコアを活用することで、特定の広告において、品質が平均に対しどのような位置にあるのかが可視化できます。可視化によりユーザーの検索意図と関連性が高いことを検索プラットフォーム側から判断されれば、品質スコアが高まり、広告の掲載順位も上位に表示されるでしょう。

品質スコアを用いて検索順位を可視化することは、広告とランディングページの両方で可能です。高い品質スコアを持つ広告やランディングページは、低コストで上位に表示される可能性が高まるといえます。

品質スコアがリスティング広告の成果に与える影響

品質スコアは、広告の掲載順位やクリック単価(CPC)に影響を与えます。検索プラットフォームが、高品質な広告を優先的に表示するための指標として品質スコアを利用するためです。

広告の順位は、一般的に下記6つの要素によって決定されます。

広告の順位に影響を与える6要素
  • 入札単価
  • 広告ランクの下限値
  • ユーザーが検索した背景
  • オークション時の広告の品質
  • オークションにおける競争力
  • 広告表示オプションなどの見込効果

Google広告ヘルプ「広告ランクについて」にも記載があるとおり、品質スコアが高い広告は、競合他社よりも低いクリック単価(CPC)で上位に表示される可能性があります。広告の費用対効果を向上させるためには、品質スコアの最適化も必要といえるのです。

参考:Google 広告ヘルプ|広告ランクについて

品質スコアを決定する3つの要因

品質スコアは、「推定クリック率」「ランディングページの利便性」「広告の関連性」の3つの構成要素により決定します。

管理画面に表示されるのは、それぞれの要素を他社の広告と比較した「平均より上」「平均的」「平均より下」の3つのステータスです。

品質スコアの構成要素
  • 推定クリック率(CTR)
  • 広告との関連性
  • ランディングページの利便性

まずは、上記3つの要因に対して「平均的」あるいは「平均より下」の要素がないかを確認し、品質スコアを改善させる参考としましょう。

推定クリック率(CTR)

推定クリック率(CTR)とは、出稿したキーワードで広告が表示された際に予想されるクリック率のことです。

推定クリック率(CTR)は、過去に掲載した広告の表示回数、クリック数、広告オプションの有無などの実績から計算される傾向にあります。

過去や現在のクリック率が高いほど、検索プラットフォームからは高い評価を受けられます。たとえば関連性の高いキーワードを使用した広告などは、推定クリック率(CTR)が高くなるでしょう。

推定クリック率(CTR)を向上させるためには、キーワードの選定や広告文の工夫も求められます。

ただし、あくまでも推定であって、実際のクリック率とは異なる点には注意しましょう。

広告との関連性

広告の関連性とは、出稿する際に指定したキーワードと広告文とがどれくらい一致するかを示す目安です。ユーザーの検索意図に沿った広告文を設定することによって評価が高くなり、品質スコアにも影響を与えます。

ユーザーが求める情報と広告内容とが一致していれば、優れたユーザー体験を提供できるといえるでしょう。たとえば、「スニーカー販売」というキーワードの広告に、スニーカー販売サイトへのリンクがある場合、関連性が高いと判断されます。

広告文とキーワードとの関連性を維持するためには、アカウント設計の際にグルーピングしておくことも重要です。広告の内容とキーワードに一貫性を保ち、検索意図に合う広告にすることが、品質スコア向上の鍵となります。

ランディングページの利便性

ランディングページの利便性とは、表示された広告をクリックしたユーザーにとって、ランディングページ(遷移先)がどれだけ有益だったかを指します。

加えて、ページ内の申し込みボタンや入力フォームなど、ランディングページそのものの使いやすさなども、利便性の評価対象です。ユーザーが求める情報をストレスなく提供できるランディングページは、優れたユーザー体験を生むケースが多いといえます。

ほかにも、高速なページ読み込み、明確なCTA、モバイル最適化なども、利便性の向上に寄与するでしょう。

ランディングページに掲載されている情報の透明性や、ユーザーフレンドリーなページを作成することによって、品質スコアの向上に期待が持てるのです。

品質スコアを確認する方法

品質スコアは、Google広告の管理画面から直接確認することが可能です。

広告の品質スコアは、下記の手順に従って確認します

品質スコアの確認手順
  1. Google広告へログインし、左側のページメニュー一覧から「キーワード」を選択。
  2. キーワードやマッチタイプなどが表示され、その右上にある「表示項目」のアイコンをクリック。
  3. 「表示項目の変更」を選択し、下へスクロールすると「品質スコア」セクションが表示。
  4. 「品質スコア」「推定クリック率」「ランディング ページの利便性」「広告の関連性」から表示させたいものを選択。
  5. 「適用」のボタンをクリックすると、画面に品質スコアや推定クリック率が表示。

定期的に品質スコアをチェックし、改善の方向性を見極めることが大切です。

品質スコアを上げる4つの対策

実際に品質スコアを用いて、広告の運用改善をどのようにおこなうべきか、解説していきます。

品質スコアを上げる主な対策は、下記の4つです。

品質スコアを上げる4つの対策
  • キーワードと広告文とLPに一貫性を持たせる
  • 思わずクリックしたくなるような広告文を作成する
  • 広告グループを最適化する
  • ページの読み込み時間を速くする

管理画面上の品質スコアのレポートにおいて「平均より上」「平均値」のステータスであれば問題ありませんが、「平均より下」のステータスが表示されていた場合は、改善を試みましょう。

キーワードと広告文とLPに一貫性を持たせる

「キーワード」「広告文」「LP」の3点は一貫していることが理想的です。

一貫性のある広告は、ユーザーの信頼と品質スコアの向上をもたらします。

下記にある悪い例のように一切関係のない文章にした場合、ユーザーの検索意図から外れ、クリック率も向上しないでしょう。

良い例悪い例
検索キーワード転職転職
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キーワード、広告文、LPの整合性は品質スコア向上の基本となるため、必ず一貫性を持たせてください。

思わずクリックしたくなるような広告文を作成する

魅力的な広告文は、クリック率(CTR)を向上させ、品質スコアのアップに期待できます。そのためには、ユーザーの注意を引きつけ、行動を促進できるように、キーワードやメリットをうまく盛り込んだ文章に仕上げることが必要です。

具体的には、下記の3点を意識して広告文と本文を作成することが効果的といえます。

スクロールできます
具体策
根拠となる数字をタイトルに入れるユーザーは瞬時にメリットを判断でき信頼度も向上する。
検索キーワードを盛り込む検索キーワードや競合と差別化できるメリットをタイトルに入れる。
訴求内容の重複を避ける文字数が限られているため訴求内容が重複するのはもったいない

また、限定セールや独自の特典を強調することで、ユーザーのクリック意欲も促進されるでしょう。効果的な広告文の作成は、クリック率(CTR)の向上と品質スコアの最適化につながります。

広告グループを最適化する

適切に構築された広告グループは、品質スコアの向上に寄与します。関連性の高いキーワードをまとめることで、ユーザーとのマッチング精度の向上が可能です。

広告グループは、大きなカテゴリでひとまとめにするのではなく、関連キーワードごとに作成しましょう。適切な広告グループを設定し、それぞれのキーワードごとに、広告文と本文を作成します。

広告グループでは、下記の図のように「キーワード」「広告文」「表示URL」を1つのグループとして設定可能です。

広告グループ構成では、「キーワード」「広告文」「表示URL先」の関連性が高いことも重要です。

広告グループの適切な構築と管理は、効率的な広告運用と品質スコアの向上にも役立ちます。

ページの読み込み時間を速くする

ページの速度を上げることで読み込みのストレスが軽減され、ユーザーの離脱を防ぎやすくなります。多くのユーザーにリーチできるようになるため、結果としてコンバージョンや売上にもつなげられるでしょうす。

Webサイトの表示速度が遅くなる理由としては、下記の3つが考えられます。

スクロールできます
動画や画像の容量が大きい撮影機器の高性能化により、写真や動画の容量が大きくなる傾向にある
無駄な外部ファイルが多い外部ファイルが増えることで読み込みに時間がかかるケースもある
タグを埋め込みすぎているGoogleアナリティクス・Googleサーチコンソールなど分析ツールのタグを埋めすぎることで表示速度に影響が出る

画像の圧縮やキャッシュの活用によって、ページの読み込み時間短縮が可能です。サイトの速度最適化は、ユーザーの離脱を防ぎ、品質スコアの向上に貢献します。

​1​広告の成果を改善するには品質スコアを気にしすぎてはいけない

品質スコアの改善を目的としてしまうと、成果につながらない施策を打ってしまいかねません。

理由としては、下記の3つが挙げられます。

品質スコアを注視すべきでない理由
  • 品質スコア=広告の品質ではない
  • 限定的な条件でしか正しく算出できない
  • 品質スコア向上への対策は無駄な施策となる可能性がある

本章では、品質スコアを注視して運用すべきでない理由をそれぞれ解説していきます。とくにこれからリスティング広告の運用をおこなう方は、理解を深めておきましょう。

品質スコア=広告の品質ではない

冒頭でも紹介したように、品質スコア=広告の品質ではありません。

Googleの公式ヘルプにも、「品質スコアは広告オークションにおける評価材料にはなっていません」との記載があります。

品質スコアはあくまでも参考レベルであるため、いくら品質スコアを改善したとしても、必ずしもオークション時に有利に働くとは限らないからです。

スクロールできます
品質スコアキーワードと完全一致の検索がされた推定評価実際のオークション時では使用されない
広告の品質オークションごとに算出され、広告の掲載順位に関わる評価

高い品質スコアを持つ広告でも、ターゲットとのマッチングが悪ければ、コンバージョンが得られないこともあるでしょう。

品質スコアに固執するのではなく、広告の品質や効果を総合的に見ることが重要です。

参考:Google 広告ヘルプ|品質スコアについて

限定的な条件でしか正しく算出できない

品質スコアにおける条件は、「キーワードと検索語句が文字列として一致したとき」です。

部分一致キーワードの品質スコアは、対象となるキーワードと完全一致した検索語句にしか評価されません。

広告のオークションにはさまざまな要因が影響しますが、3つの要因のみで評価される品質スコアが万能であるとは言い難いです。新しいキーワードや少ないデータの場合、品質スコアの算出が正確におこなえない可能性も高いでしょう。

キーワードに部分一致した検索語句の結果が良い場合でも、それが評価に加味されることはほぼないと考えられます。品質スコアの背景や算出条件を正しく理解した上で、「参考指標」としての利用に留めておくことが大切です。

品質スコア向上への対策は無駄な施策となる可能性がある

品質スコアを改善しようとするあまりに、本来の目的とは離れた施策となってしまう可能性も否めません。たとえば、成果が良い部分一致のキーワード配信を停止するなどの施策が、例として挙げられます。前項でも説明したとおり、広告の成果を向上させるための最適化と、品質スコア向上のための最適化は必ずしも一致しないものです。

ページの読み込み速度を向上させることで品質スコアは上がりますが、内容がユーザーのニーズに合わなければ成果は出ないでしょう。品質スコアを高めることが目的となってしまった施策は、広告成果を上げるための本質的な施策ではなく、間違った方向に進んでしまうことも懸念されます。

「品質スコアの最適化」と「広告成果の最適化」をバランスよく進めることが重要です。

成果を出すためには「広告の品質」「広告ランク」を意識する

品質スコアはあくまでも参考指標であることがわかりました。

広告の効果を最大化するためには、「広告の品質」と「広告ランク」を意識することが重要です。

ユーザーの期待に応える広告と適切な表示位置こそが、コンバージョンに直結します。

スクロールできます
広告の品質ユーザーにとって有用性・利便性が高いかを評価する概念評価が高いと掲載順位の向上・クリック単価の低減などパフォーマンス面にも期待できる
広告ランクどの広告をどの位置に表示するかを決める数値高いほど上位に掲載されやすくなり、基準値より低いと掲載されない

高い広告ランクを持ち、ユーザーの検索意図に合った広告内容を提供することで、クリック率やコンバージョン率の上昇につながるのです。広告の全体的な最適化をおこなうことが、成功への道となるでしょう。

まとめ

品質スコアは、広告運用の指標の1つであり、適切に利用することが重要です。ただし、あくまで指標の1つに過ぎません。広告の品質や成果を向上させるためにさまざまなアプローチが求められる中で、品質スコアはその一部として捉え、ほかの要素と上手に併用しながら運用していくべきといえます。

この記事では、成果を出すためには、「広告の品質」「広告ランク」を意識することで全体的な広告成果が向上できることをお伝えしました。品質スコアを適切に理解した上で、広告運用の一環として活用し、より良い広告成果を目指しましょう。

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この記事を書いた人

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