- クリック単価とは何か
- クリック単価が高くなる要因
- クリック単価を調整して成果を出す方法
リスティング広告やディスプレイ広告を運用したいけれど、どれほどの予算を立てればよいかわからない…と悩まれている担当者も多いのではないでしょうか。
広告の費用対効果を高めるためには、「クリック単価」について深く理解することが有効です。
そこで本記事では、クリック単価とはどのようなものか、またクリック単価の決まり方や高くなる理由について解説します。
広告のクリック単価を下げながら効果を出すためのポイントもご紹介していますので、広告運用を始める前に、ぜひ確認してみてください。
クリック単価とは広告1クリックにかかる費用
クリック単価とは、広告1クリックごとに発生する費用のことです。「CPC(Cost Per Click)」とも呼ばれており、インターネット広告において費用対効果を表す重要な指標とされています。
クリック単価は、ユーザーを自社サイトなどに流入させるときの単価であるため、単価が低ければ費用対効果が良好といえるでしょう。
一方でクリック単価が過去数値よりも上昇している場合は、1クリックにかかる費用が高くなっていることから、費用対効果が悪化している可能性があります。
入札単価、上限クリック単価との違い
クリック単価と似た言葉に「入札単価」や「上限クリック単価」と呼ばれる用語があります。入札単価や上限クリック単価とは、クリック単価の上限金額を指定したときの単価です。
- クリック単価:実際の広告運用で発生した1クリックに対する費用
- 入札単価・上限クリック単価:あらかじめ指定されたクリック単価の上限金額
上記のとおり、クリック単価は実際の広告運用において、1クリックで発生した費用を意味します。対して入札単価・上限クリック単価は、広告運用をおこなうにあたって、あらかじめクリック単価の上限を指定するときに使われる用語です。
たとえば、費用対効果をなるべく上げるために、クリック単価を20円以内に抑えたいとします。その場合、入札単価・上限クリック単価を20円に設定すると、クリック単価が20円以内に収まるように最適化されます。
このように、入札単価・上限クリック単価を指定することで、限られた予算の中で効率的に広告運用がおこなえるようになるのです。
しかし、入札単価・上限クリック単価を低く設定すると、競合他社の設定金額によっては、掲載順位が落ちる可能性も否めません。結果としてユーザーの目に広告が留まらなくなり、成果が悪化してしまう…なんてことが起こらないように注意が必要です。
入札単価の決め方
入札単価・上限クリック単価はどのように決めればよいのでしょうか。
入札単価は、以下の計算式で求められます。
- 入札単価 = 目標CPA × 想定コンバージョン率
CPAとは、「Cost Per Acquisition」を略した言葉で、日本語では「顧客獲得単価」と呼ばれます。問い合わせや、商品・サービス購入といったコンバージョン1件あたりの成果に対する費用のことです。
広告費で100万円を使ったとして、10件の顧客リードを獲得した場合、100万円÷10件=10万円がCPAとなります。
この目標CPAと想定コンバージョン率を算出した上で、入札単価を決めていきます。
たとえば、目標CPAが5万円で想定コンバージョン率が2%とすると、入札単価は5万円×2%=100円です。
想定コンバージョン率は、商品・サービスや、コンバージョンの定義(資料請求・購入など)といった要因によって変わるため、十分に調査してから決めるようにしましょう。
クリック単価の決まり方
クリック単価は、広告ランクをもとに、競合他社とのオークションによって決まります。広告ランクに含まれる要素は、以下のものです。
- 入札単価
- 広告表示オプション
- 広告の品質(推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性など)
上記で解説した「入札単価」も、広告ランクを決定する要素の1つです。これらが総合的に評価された結果、広告ランクが高いほど上位に掲載される仕組みとなっています。
広告主が実際に支払うクリック単価は、広告ランクに応じてオークション形式で競われます。一般的に、競合が多いほど多くの予算を投じて広告を掲載するので、クリック単価は高くなるでしょう。一方で、例外はあるものの、競合が少なくキーワードもニッチであれば、クリック単価は低くなる傾向にあります。
人気のキーワードで上位掲載させるためには、入札単価をあらかじめ高く設定するか、または高品質の広告を作成し広告ランクを高める必要がある、ということです。
クリック単価はキーワードプランナーで調べる
クリック単価の相場を調べるためには、Googleキーワードプランナーを活用しましょう。Googleキーワードプランナーとは、Googleが提供する広告運用ツールであり、広告運用に向けた入札単価や、キーワードごとの月間検索数(検索ボリューム)などを調べられます。
キーワードごとに平均クリック単価が掲載されており、入札単価を決める際の参考として役立ちます。また、「低・中・高」の3段階で競合性が載っているため、キーワードの選定にも有用です。
Googleキーワードプランナーは登録さえすれば無料で利用可能なので、ぜひ広告運用時に導入してみてください。
クリック単価が高くなる理由
広告運用をおこなう中で、クリック単価がどうしても高くなってしまうことがあります。
以下3つの理由をもとに、クリック単価が高くなる原因を探っていきましょう。
- 入札の多い人気のあるキーワード
- 広告ランクが低い
- 高額商材のキーワード
1つずつ詳細を解説していきます。
入札の多い人気のあるキーワード
クリック単価が高くなる理由の1つ目として、入札が多く人気のあるキーワードを選定していることが挙げられます。
クリック単価の決まり方でも解説したように、人気のキーワードは自社だけでなく多くの競合他社も上位を狙っていることから、入札数が多くなります。
入札数が多いキーワードは、オークションの結果として入札単価が高くなるため、必然的にクリック単価も高くなってしまうのです。クリック単価が高い傾向が続く場合には、人気の高いキーワードか否かを疑ってみてください。
広告ランクが低い
2つ目の理由は、広告ランクが低いことです。広告ランクが競合他社よりも低いと、クリック単価が高くなってしまう可能性があります。
これは、オークションの結果、自社よりも掲載順位の高い競合他社を上回るための費用が発生することが理由です。逆に、広告ランクが競合他社よりも高ければ、クリック単価を安く抑えられます。
競合性が高くないキーワードであるにもかかわらずクリック単価が想定よりも高い場合には、広告ランクにも注意してみましょう。
高額商材のキーワード
最後に、高額商材のキーワードである可能性が挙げられます。
広告で取り扱っている商材が高額である場合、企業が広告予算に割ける費用も高くなるため、クリック単価も高くなりがちです。
具体的には、ハイブランドの商品や、不動産、投資商材といったカテゴリが、高額商材に含まれます。富裕層・高所得者をターゲットとした商材に関する広告を運用する際には、クリック単価が上がりやすくなることを念頭に置いておきましょう。
クリック単価を下げつつ効果を出すためのチェックポイント
クリック単価は、先述した3つの理由により高くなってしまいます。費用を抑えながら広告運用をおこなっていくには、クリック単価を下げなければなりません。
クリック単価を下げつつ広告効果を出すためのポイントを解説します。
- 広告ランクを改善する
- キーワードを見直す
- 広告表示オプションを有効活用する
- 除外キーワードを設定する
- 入札単価を設定し直す
上記5つのチェックポイントを、しっかりと押さえていきましょう。
広告ランクを改善する
1つ目のチェックポイントとして挙げられるのは、広告ランクの改善です。
広告ランクを改善すれば、仮に入札単価の上限が低くても、競合他社とのオークションで勝てる可能性が高まります。
広告ランクの改善にあたって、広告の品質を構成する3つの要素を確認しましょう。
- 推定クリック率
- 広告の関連性
- ランディングページの利便性
推定クリック率とは、広告が表示された際に、ユーザーによってクリックされる可能性を表した指標です。同じキーワードで出稿している競合他社と比較し、クリック率がどれくらいになるかを相対的に評価します。推定クリック率が低い場合には、広告文の見直しをおこないましょう。
広告の関連性は、検索意図との整合性を評価したものです。ユーザーが検索したキーワードに対して適切な検索結果を提供することが、Googleからの評価につながります。広告文のタイトルにキーワードを含めるようにし、検索結果との関連性を持たせるようにしましょう。
ランディングページの利便性とは、広告をクリックしたユーザーのニーズに対して適切かどうかを評価する指標です。具体的には、ユーザーフレンドリーかどうか、LPの読み込みに時間を要していないか、信頼性を担保する表示があるか、などが該当します。
上記3つの要素については、広告の管理画面にて確認可能です。現状のスコアが低い場合には、各要素の改善を試みましょう。
キーワードを見直す
2つ目のチェックポイントは、キーワードの見直しです。競合性が高いキーワードや、コンバージョンに直接結びつくようなキーワードは、一般的にクリック単価が高くなる傾向にあります。
クリック単価を抑えながら効果を得るためには、Googleキーワードプランナーでキーワードの入札単価を日々チェックすることが重要です。入札単価が低いキーワードを洗い出しながら、そこそこのコンバージョンを狙えるようなキーワードを狙いましょう。
広告表示オプションを有効活用する
広告表示オプションとは、広告スコア改善につながる要素の1つです。広告主の企業名や住所、連絡先、ホームページのURLなどを広告文の下部に表示させることで、ユーザーに対して豊富な情報量を提供できます。
また、広告の視認性が高くなり、クリック率の向上に役立つ可能性が高まります。広告表示オプションを有効に活用し、広告ランクを改善しながら、クリック単価を下げていきましょう。
除外キーワードを設定する
除外キーワードの設定も重要です。除外キーワードとは、特定の検索語句を広告表示対象から外す機能を指します。
リスティング広告を運用していく中では、広告主が意図していない検索語句や、コンバージョンにつながりにくいキーワードが出てくる場合があります。このようなキーワードを放置したままにすると、無駄なクリックが増えていき、広告費用はかさんでしまうでしょう。
その点、除外キーワードを設定しておけば、適切なユーザーへのアプローチが可能となります。自社商品・サービスや、ターゲット層との関連性が低いキーワードを除外し、費用対効果の改善に取り組むようにしましょう。
入札単価を設定し直す
入札単価を設定し直すことも、クリック単価を下げつつ効果を出すのに有効です。入札単価の上限金額を高く設定すれば、上位に掲載されやすくなる一方で、利益が圧迫し費用対効果に悪影響を及ぼす危険性もあります。
入札単価をあらかじめ低く設定しておくことで、クリック単価を安く抑えられるでしょう。
ただし、入札単価は広告ランクを構成する1つの要素でもあるため、下げすぎには注意しなければなりません。掲載順位のボーダーラインを設定し、そのラインを下回らないように入札単価を設定しましょう。また、コンバージョンにつながりやすいキーワードを厳選し、入札単価の上限を設定することも重要です。
まとめ
クリック単価とは、リスティング広告やディスプレイ広告といった広告1クリックに対する費用を指します。クリック単価は、広告運用における費用対効果の指標にもなるので、日々チェックすることが重要です。
クリック単価は、入札単価の上限金額や、広告ランク、競合他社の戦略、キーワード自体の性質など、さまざまな要因によって上下します。その中でも広告ランクは、広告主である自社で改善可能であるため、本記事で解説した3つの構成要素を定期的に見直すことが大切です。加えて、ご紹介した5つのチェックポイントも踏まえながら、費用対効果を高めていきましょう。