新しい広告プラットフォームを検討していて、Facebook広告への出稿を検討している方もいるのではないでしょうか。その中には、「BtoB企業にとってFacebook広告が向いているかどうかを知りたい」「Facebook広告とリスティング広告の違いは何?」といった疑問を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、Facebook広告がBtoB企業に向いているといわれる理由や、リスティング広告との違い、成果を出すコツなどについて、解説していきます。
この記事を読むことで、Facebook広告への理解が深まり、スムーズな運用にも期待が高まるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
- Facebook広告がBtoB企業に向いている理由
- Facebook広告の費用や始め方
- Facebook広告で成果を出すコツ
Facebook広告がBtoB企業に向いている理由
まずは、Facebook広告がBtoB企業に向いている理由について解説していきます。
主な理由は、以下の3点です。
- 導入ハードルが低い
- ターゲティング精度が高い
- リードを獲得しやすい
これらの理由をしっかりと理解しておくことで、Facebook広告をさらに有効活用できるようになるでしょう。
導入ハードルが低い
Facebook広告は、リスティング広告と比べてクリック単価が比較的低いことが特徴です。
そのため、マーケティング費用を少しでも抑えたいBtoB企業にはFacebook広告が好相性といえます。
CV目的で広告を出稿する場合、Facebook広告の全分野で提供する平均クリック単価は、おおよそ100円前後といわれています。
一方、リスティング広告の平均クリック単価は、80円〜1,000円ほどです。
双方の相場を比較すると、Facebook広告が安価であることがわかるでしょう。
サービス単価の高い業界やターゲティングによっては平均クリック単価を上回る場合もあるものの、Facebook広告は、マーケティング費用を抑えたいBtoB企業にとって導入しやすい広告媒体といえます。
ターゲティング精度が高い
Facebook広告は、ほかのSNS広告を含めた広告媒体と比較しても、トップクラスにターゲティング精度が高いです。
Facbook広告では、ニーズに適した人に向けて広告を配信するために、詳細な機能を用いてターゲットの絞り込みができます。
Facebook広告のターゲティング(オーディエンス設定)は、「コアオーディエンス」「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」の3種類です。
内容 | 絞り込む内容・機能 |
コアオーディエンス | 趣味・行動・学歴・職場・役職など |
カスタムオーディエンス | カスタマーリストウェブサイトトラフィック(リターゲティング)エンゲージメントオフラインアクティビティ |
類似オーディエンス | 既存のコアオーディエンスとのマッチ率を設定できる |
コアオーディエンスとして広告を見てもらいたい人の特徴(趣味・行動・学歴・職場・役職など)を設定し、そこから展開していきます。「and設定」「or設定」「除外設定」といった機能を利用して、ターゲットをどんどん絞り込んでいくことも可能です。
このようにFacebook広告では、ほかの広告媒体には難しいセグメントが叶います。
リードを獲得しやすい
Facebook広告では、検索結果や広告からLPに遷移せずにFacebook内で申し込みが完結する「リード獲得広告」を使用できます。
リード獲得広告を活用することで、ブランドの認知度アップやリーチ拡大など、顧客獲得を促進させることが可能です。
リード獲得広告で利用者に対しフォローアップできる内容としては、以下が挙げられます。
- カスタム質問を追加できる
- リード獲得用のダイナミック広告を使用できる
- 販売店情報を追加できる
質の高いリードを獲得するために、リード獲得広告の質問内容や利用者が興味・関心ある内容についてメッセージを送ることも可能です。
リード獲得広告は、利用者向け機能も手軽にカスタマイズできるため、リード獲得数の増加に期待できるでしょう。
以上の理由から利用する企業も増えてきているため、Facebook広告を出稿する場合には、同時にリード獲得広告利用を検討することをおすすめします。
リスティング広告との違い
Facebook広告とリスティング広告の違いについて、比較検討していきます。
どちらの広告がいい・悪いではなく、それぞれの特徴を掴むことで広告運用の可能性を広げ、自社の商品・サービスがどちらの広告媒体と相性がいいかの判断材料としてください。
ターゲットユーザーの特性が異なる
リスティング広告との最大の違いは、ターゲットとなるユーザーの特性が異なることです。
2つの広告を大きく分けると、リスティング広告は「顕在層のユーザー向き」、対してFacebook広告は「潜在層のユーザー向き」の広告媒体といえます。
リスティング広告は、ユーザーが検索するキーワードに連動して広告を表示させるため、ユーザーのニーズが顕在化しています。
一方でFacebook広告は、ターゲットの属性・興味・関心をもとに広告を表示させるため、ユーザーニーズが潜在化している状態です。
ここに、大きな違いがあります。
認知拡大を目的に広い層にリーチしたい場合は、潜在層向けのFacebook広告がおすすめです。
クリエイティブが異なる
リスティング広告とFacebook広告とでは、掲載できる内容に違いがあります。
リスティング広告は基本的にテキストベースの広告ですが、Facebook広告はテキストはもちろん、画像・動画・さらにはカルーセル広告も使用可能です。
リスティング広告 | Facebook広告 | |
---|---|---|
掲載内容 | テキスト・画像 | テキスト・画像・動画など |
Facebook広告は、テキストだけの訴求とは異なり、自社の商品・サービスを視覚や聴覚に直に訴えたい場合に大変有益といえるでしょう。
ただし、クリエイティブ(画像・動画・カルーセル広告など)の作成や更新など、データ管理以外の手間が必要となる点には、注意しなければなりません
BtoC向けFacebook広告とBtoB向けFacebook広告の違い
Facebook広告の中でも、BtoC向けとBtoB向けでは、それぞれ目標とするものが異なります。
BtoCとBtoB、それぞれのターゲット・費用・訴求文の違いを比較していきますので、ぜひ参考にしてください。
ターゲットの違い
BtoC(個人)向けとBtoB(企業)向けの広告では、当前ですがターゲット自体が異なります。
BtoCは一般ユーザー向けのため、性別や年齢・住まいなど幅広い層がターゲットとなります。
一方BtoBの場合は、ターゲットが企業であるため、業界や役職などステータスも含めてより詳細なターゲティングが必要です。
Facebookは基本的に実名登録のSNSであり、ほかの広告よりも詳細なターゲティングがしやすくなっています。
費用の違い
BtoC向けとBtoB向けとでは、顧客獲得単価も異なります。
商材やサービス・業界にもよりますが、BtoBのほうが顧客獲得単価は高くなりがちです。
以下は、Facebook広告におけるBtoCとBtoBの1アクションあたりの平均コンバージョン単価(CPA)をまとめた表です。
業界 | 平均コンバージョン単価(CPA) |
---|---|
BtoB | 3,327円($23.77) |
教育(BtoC) | 1,099円($7.85) |
アパレル(BtoC) | 1,537円($10.98) |
※1ドル140円で計算しています。
一般消費者と企業では、どうしても企業のほうがターゲット数は少なくなります。
そのため、BtoCよりもBtoBのほうが顧客獲得単価はどうしても高くなりやすいのです。
参考:Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [Data]|WordStream
訴求文の違い
ターゲットが個人か企業かによって、訴求文の内容も異なります。
BtoC(個人)向けの場合、ユーザーが見ていて面白かったり、興味・関心など一瞬のインパクトで目に留まったりするような広告にしなければなりません。
一方で、BtoB(法人)向けの場合は「2023年度〇〇調査で1位・導入率〇〇%」というように、数字を用いて信頼性を高めるような工夫が必要です。
個人か法人かによって行動を起こす動機が異なるため、訴求する内容もそれぞれ違う内容にする必要があります。
Facebook広告の費用
Facebook広告の費用の目安は、1クリックあたり「100〜300円」ほどです。
仮に1クリックを200円とした場合は、広告費は1,000クリックで200,000円となります。
200円 × 1,000クリック = 200,000円(広告費)
もちろん、業界や商品・サービスによってCPCは異なるため一概にはいえません。広告を配信する目的の「KPI」から逆算することをおすすめします。
また、Facebook広告で費用対効果を高めるためには、以下2つがポイントです。
- 入札方法を自動入札に設定する
- 目的を明確にしたキャンペーンを作成する
Facebook広告の費用を最適化するためにも、ぜひ検討してみてください。
Facebook広告の配信方法
Facebook広告の配信する際には、以下の手順で進めていくことで、スムーズにできます。
- アカウント作成
- キャンペーンの設定
- 広告セットの設定
- 広告の設定
それぞれの項目について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
アカウント作成
まず最初に「Facebookアカウント(個人)」の作成が必要です。
Facebookアカウントを作成しなければ、Facebook広告の配信はできません。
また、アカウント作成とあわせて「ビジネスマネージャ」の作成も必要です。
ビジネスマネージャとは広告アカウントを管理するためのツールであり、以下のビジネスアカウントの管理ができます。
- Facebookページ
- Instagramプロフィール
- 広告アカウント
さらに、ビジネスマネージャ内で「広告アカウント」の作成も必要となるため、一つひとつ確実におこないましょう。
キャンペーンの設定
アカウントの作成が終わったら、キャンペーンを設定していきます。
Facebook広告は、以下の3つの階層によって構成されています。
- キャンペーン
- 広告セット
- 広告
まずはじめに、Facebook広告で出稿する「購入タイプ」と「キャンペーンの目的」を設定します。
キャンペーンの目的は、以下6つの項目から選択可能です。
- 認知度
- トラフィック
- エンゲージメント
- リード
- アプリの宣伝
- 売上
選択した目的に沿って、キャンペーンの詳細な設定をしていきます。
また、信用・雇用・住宅・社会問題・選挙・政治など、特定の職業に関する広告キャンペーンを作成する場合は「特別な広告カテゴリ」の設定が必要です。
そのほか、広告キャンペーン予算の上限を事前に決めることも可能です。上限を決めておくことで、予算が上限に達した時点で広告キャンペーンが停止されます。
さらに、「A/Bテスト作成」「Advantageのキャンペーン予算」の設定を選択でき、より広告の最適化を図ることも可能です。
参考:Facebook広告キャンペーンの設定 |Meta for Business
広告セットの設定
次に「広告セット」の設定が必要です。
選択したキャンペーンの目的によって、広告セットの設定は異なります。
ここでは、キャンペーンの目的から「認知度」を選択したと仮定しましょう。
パフォーマンスの目標は、広告の成功を判断する基準です。
広告認知度アップのために「広告リーチ」「インプレッション数」「広告想起リフト」のどれを最大化していくか、目的を決めます。
以下は、キャンペーンの目的を「認知度」した際に設定する項目です。
- 予算と掲載期間
- オーディエンス管理
- Advantage+ オーディエンス
- 配置
1日に消化できる金額か掲載期間中に消化可能な金額、さらに広告の掲載期間を設定します。
オーディエンス管理では、対象となるターゲットの国や、地域・言語・年齢などの設定をおこないます。
ターゲットを絞ることで、配信する範囲は狭くなりますが、よりピンポイントな訴求が可能です。
Advantage+ オーディエンスでは、ターゲットの興味・関心・行動を詳細に設定することで、さらなる訴求効果が期待できます。
広告の配置では、Facebook広告の配信システムの予測から広告の予算を自動的に割り振るか、手動で広告を配置するかを選択可能です。
参考:Meta広告マネージャで広告セットを作成する|Meta ビジネスヘルプセンター
広告の設定
最後に、広告で配信するフォーマットを設定していきます。
- 広告に表示する名前
- 広告設定
- トラッキング
広告に表示する名前は、作成したFacebookページ(個人・ビジネス用のアカウント)かInstagramアカウントから選択したものが表示されます。
広告設定では、新規で作成する広告、既存の投稿、モックアップのどれかを選択しましょう。
広告の構成であるフォーマットは、「シングル画像または動画」「カルーセル」「コレクション」の中から選択可能です。
そのほか、広告で表示するテキスト入力や広告リンクをタップしたあとに遷移するウェブサイトの設置もできます。
コンバージョンが含まれるウェブサイトやアプリのイベントをトラッキングするかも、設定可能です。
ウェブサイトに紐づけるコードを設置し、ユーザーのアクションや閲覧行動から広告効果の測定もできるため、分析にも一役買うでしょう。
設定がすべて完了したら審査がおこなわれ、審査に通ると広告の出稿がされます。
参考:広告マネージャで広告を作成する|Meta ビジネスヘルプセンター
Facebook広告で成果を出すコツ
Facebook広告で成果を出すためには、ポイントとなるコツを抑えておく必要があります。
- 自動配置を有効活用する
- 媒体が機械学習しやすい環境を作る
- 目的に応じて広告フォーマットを変更する
それぞれ具体例を用いて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
自動配置を有効活用する
広告の自動配置を利用することで、Facebook広告はより効果を発揮します。
より訴求効果の高い場所を判断し、自動的に広告を配置してくれるためです。
Facebook広告では、以下の配信面で自動配置を利用できます。
- Messenger
- Audience Network
広告出稿を始めた初期段階ではとくに、どの媒体・場所で高い効果が期待できるか判断がつきにくいものでしょう。
その点、自動配置を利用すれば、少ない予算の中でもより効果的な場所に広告を配置してくれるので、ぜひ積極的に活用することをおすすめします。
データが溜まってきたら、パフォーマンスの分析をおこない、効果的でない配置は停止する、クリエイティブ変更するなどの対策を講じ、ブラッシュアップしていきましょう。
媒体が機械学習しやすい環境を作る
Facebook広告において、自動入札は重要な入札戦略です。そのため、自動入札の精度を高め、広告配信の最適化を行うことが、広告成果向上の近道となります。一方で、自動入札の精度を高めるには、1つの広告セットあたり週50件のCV獲得が最低限必要です。ある程度の広告配信データを蓄積・分析してからでないと自動入札で効果的な広告配信ができないためです。それゆえ、機械学習が進みやすい環境を整えることが重要になってきます。
自動入札を活用し、広告配信の最適化を行うことで、広告表示回数の増加やターゲティングの精度向上も期待できます。
また、広告運用担当者の工数削減にも繋がり、より効率的に成果を向上できるようになります。
そのため、自動入札を検討している場合は、週50件のCVは獲得できそうか・迅速に機械学習を促す環境を作れるかを判断材料としても良いでしょう。
目的に応じて広告フォーマットを変更する
Facebook広告では、さまざまな広告フォーマットを利用できるため、目的に応じてフォーマットを選択・変更するようにしましょう。
同じ訴求内容であっても、フォーマットが違うことでユーザーの受け取り方も変わるため、パフォーマンスにも差が出ます。
フォーマット | 利用目的 |
---|---|
画像 | 商品・ブランドの画像貼り付け |
動画 | 動画を使って製品・サービス・ブランドを紹介 |
カルーセル | 1つの広告で最大10件の画像・動画を表示 |
インスタントエクスペリエンス | モバイル端末でタップするとフルスクリーン表示になる |
コレクション | 複数の商品画像を表示できる |
たとえば、商品やサービスにストーリー性を持たせたければ動画広告を使用するなど、広告を出す目的に応じてフォーマットを選ぶことが重要です。
クリエイティブは適度に更新する
Facebook広告で成果を出し続けるためには、クリエイティブは適度に更新しましょう。
クリエイティブは「視覚」に訴えることがメインとされるため、最初のインパクトが重要です。いくら訴求力のある内容でも、また最初は新鮮に映っていたものでも、頻繁に目にすることで、ユーザーに飽きられ、効果の低下につながってしまいます。
その点、クリエイティブをブラッシュアップしていくことで、ユーザーに対して「真新しさ」と「インパクト」を提供でき、継続的な成果にも期待できるでしょう。
効果の高いものは無理に変更する必要はありません。まずは効果が低いものだけ更新し、ローテーションなどで対応できれば、工数の削減にもつながるはずです。
まとめ
この記事では、Facebook広告がBtoB企業に向いている理由やリスティング広告との違い、配信方法、成果を出すコツについて解説してきました。
Facebook広告がBtoB企業に向いている理由としては、以下が挙げられます。
- 導入ハードルが低い
- ターゲティング精度が高い
- リードを獲得しやすい
リスティング広告との違いを賢く活用すれば、広告運用の幅を広げることも可能です。
Facebook広告で継続して成果を出すためには、自動配置を有効活用したり、適度にクリエイティブを更新したりすることが有利に働くでしょう。
ぜひ本記事の内容を参考にしていただき、Facebook広告を有効活用し成果を最大化してください。