CVRを改善!コンバージョンが取れる記事コンテンツの導線設計

CV導線
本記事でわかること
  • 記事ページの目安となるCVR
  • CVRが上がらない原因
  • CVRを改善する導線設計の方法

弊社では「オウンドメディア施策を進めているけど、順位が上がり始めてセッションは獲得できているけどコンバージョンが思うように伸びない」というご相談をよくいただきます。新規で公開した記事もしっかり順位がついてセッションも確保できているのに、CVRだけ下がってしまうのはよくある事例の一つです。

多くの方はCVRが上がらない要因を特定しないまま、新しい施策を初めてうまくいかずに消耗してきます。CVRを改善するにはその要因ごとに最適な施策を打つ必要があります。Web上の情報には記事コンテンツの有効な作成方法なら多くの情報が溢れていますが、記事コンテンツを揃えたあとのCVR改善について解説したページは少ないように思えます。

そこで、本記事ではCVRが改善しない原因をパターンごとに、改善方法も合わせて解説します。明日からすぐに使える施策についても解説するので、日々の施策に役立ててください。

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目次

CV、CVRとは

簡単におさらいしますが、CVとはサイトの運営者が想定しているゴールに検索ユーザーがたどり着くこと、CVRとは全体のセッションに対するCVしたセッションの割合です。計算式にすると、

CVR=CV数÷セッション数×100

になります。

CVに関してはマイクロコンバージョン、CVRに関してはセッションCVRとユーザーCVRなど細かい話はいろいろありますが、ここでは基本のCV、CVRまでの解説とします。

記事ページのCVR目標値は0.01~0.1%

業種ごとのCVR

よく聞くWebサイトの目標にするべきCVRは1%です。しかし、記事ページに絞るともう少し低いCVRになります。記事の本数や設定しているCVによりますが、狙うべきレンジは0.01~0.1%あたりだと考えています。今までの経験上、0.01%を割る場合はなにか問題を抱えている可能性があります。0.1%を大きく超える場合はかなりうまくいっている状態です。

前提として、CVRは環境に多く左右されるため、一概に高い低いを決めるのは難しいです。業界、扱っている商材、サイトの形態、設定しているCVポイントなどによって全く異なるデータが出てきます。

参考になるのはさまざまなマーケティングのデータを公開している海外のWorldStreamが調査した業種別平均CVRのデータと、Adobeが発表しているECサイトの平均CVRです。業界や扱う商材によってCVRが全く違うことがわかります。

参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

参考:ADI Consumer Electronics Report 2020

そもそも記事ページのCVRは低い

上述の平均CVRはサイト全体でのCVRです。記事ページに絞るとCVRはさらに低くなると予想されます。記事ページとそれ以外のページで検索意図が異なるクエリであるためです。

Googleによると、ユーザーが検索する意図は4つに分類されると提唱しています。

参考URL: Four Moments Every Marketer Should Know – Think with Google

4つの検索意図とは「~を知りたい(Know)」、「~に行きたい(Go)」、「~したい(Do)」、「~を買いたい(Buy)」の4つです。この4つの意図にキーワードを当てはめることで、ユーザーが何を求めて検索しているかある程度推定できます。

4つの検索意図の詳細です。

ユーザーの意図クエリの特徴キーワード例対策ページ
Knowクエリ~を知りたいなどの情報収集アクセスが多いCVRが低いSEO とは内部対策 とは記事ページが適している
Doクエリ~をしたいCVRが(若干)高めSEO 内部対策SEO コアアプデサービスページなど
Goクエリ~に行きたい(物理的な場所、Web上の場所)アクセスが多いCVRが高いデジタリフトMediaLiftコーポレートサイトやサービスサイトのTOP
Buyクエリ~を買いたいCVRが高いSEO 外注SEO 見積もりサービスの申込みや商品の購入ページ

上記4つの検索意図のうち、記事ページの大半がKnowクエリです。もちろん、Knowクエリが全くCVしない、というわけではありませんが、他のクエリと比較すると相対的に低くなってしまいます。目標は平均値に近づけることではなく、現在地からどの程度伸ばすかに置いたほうが有効です。

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記事コンテンツがCVしない理由

CVRの改善目標を平均値に置かない、といってもCVRの改善施策は必要になります。有効なCVR改善施策を打つためには、なぜ記事コンテンツがCVしないのかを正しく認識しておく必要があります。まずはCVしない理由を考えてみましょう。

CVまでのストーリーを描いたキーワードを選定できていない

キーワード選定の段階でCVまでの道筋が見えていないとCVRは悪化します。特に検索ボリュームの大きい順からキーワード選定をしてしまうと、セッションは獲得できてもCVにはつながりにくいです。

どのキーワードで記事ページに流入し、どのような情報を得てCVに至るのかを想像できるキーワードで選ぶべきです。

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読まれずに離脱されている

そもそも記事コンテンツ自体が良くないパターンです。ユーザーが記事を読む際、検索キーワードに関する知りたいことや解決したいことが書いていないと思った場合、早々に離脱してしまいます。CVRが悪化するどころか、順位も上がらずセッションも取れない可能性があります。

記事コンテンツを作るときは、ユーザーのニーズをしっかり考えて取り組みましょう。

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CTAが設置されていない

記事ページ内に導線が設置されていないと、読了してもそのまま離脱されてしまう可能性があります。「CTA」とは Call to action の略で、日本語にすると「行動喚起」になります。サイトを訪れたユーザーに取ってもらいたい行動を促すテキストや画像、リンクのことです。多くはフォームページなどへの誘導を指しますが、これが記事ページ内に存在しないとユーザーをCVまで適切に導くことができず、離脱につながる場合があります。

CTAがわかりにくい

CTA自体がわかりにくい場合もCVRの悪化を招きます。見逃しやすいCTAデザイン、理解しにくいリンクテキストなど、内容が伝わらないバナーなどは避けましょう。

もし上記のようなCTAを設置している場合は内容を見直す必要があります。

ユーザーの求めるCVを設定できていない

資料ダウンロードなどにCVを設定していると発生しやすいです。読んでいる記事とダウンロードできる資料がマッチしない場合はCVせずに離脱してしまいます。

必要な資料を新たに作成するなど、対策が必要です。

フォームの入力が煩雑すぎる

記事コンテンツからは少し外れますが、フォームの必須入力項目が多い、記入例がない、入力内容を保存できないなどの問題があると、ユーザーは送信前に離脱する可能性があります。

多くの場合、CVの直前ページはフォームになるので、フォームの最適化は常に考えましょう。

CVRを改善する方法

原因を推定できたら具体的に改善施策を打ちましょう。うまくいっていると考えている施策についても、できれば一度見直すのをおすすめします。

CVまでの道筋を考えたキーワードを選定する

記事ページの検索キーワードはKnowクエリが中心とお伝えしましたが、同じKnowクエリの中でもCVに近いものと遠いものがあります。

「ウォーターサーバー」を例に考えてみます。

CVに近いキーワードCVから遠いキーワード
ウォーターサーバー おすすめ
ウォーターサーバー 安い
ウォーターサーバー 一人暮らし
ウォーターサーバー 余った水
ウォーターサーバー 置き場所
ウォーターサーバー お湯

CVに近いキーワードは購入や導入に向けて考えていると思われるキーワード、CVから遠いキーワードは一見検討しているように見えますが、単に情報を知りたいだけの可能性があります。

キーワード選定する際には、そのキーワードで検索するユーザーのCVへの検討度合いを考えると良いです。迷ったら実際に検索してみるとより理解しやすくなります。できる限りCVに近いキーワードを選定しましょう。

ただし、CVに近い顕在キーワードは競合度も高いです。上位表示の可能性と照らし合わせて、激戦区で戦うのか、CVからは遠ざかるが上位表示の可能性のある競合度の低いキーワードで記事を作成するかを考えましょう。検索上位に記事ページが少ない、大手のメディアが並んでいる場合は激戦区での戦いは避けたほうが良さそうです。

もしCVから遠いキーワードを選定する場合は、記事ページのあとに見てもらうページを用意しておきましょう。具体的には、商品情報ページ、事例ページ、価格ページ、FAQコンテンツ、無料ダウンロードコンテンツなどです。

ユーザーが読みたくなる、良質なコンテンツを作る

記事ページの内容自体が悪いとユーザの離脱を招き、CVまでたどり着きにくくなります。しっかりと記事を読み進めてもらうためには、記事ページを「良質なコンテンツ」として仕上げましょう。

ユーザーが読みたくなる、良質なコンテンツを作るポイントは下記です。

  • ペルソナの設定
  • リード文にこだわる
  • 画像や装飾を効果的に使う
  • ソース元は明記する
  • 文章は結論から伝える
  • 過不足なく情報を伝える
  • 情報を補足できる別ページへのリンクがある

こちらの記事もチェックして、良質なコンテンツを作ってください。

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CTAの設置場所にこだわる

CTAは有効な場所に設置しましょう。

記事ページでCTAを設置したいのは下記です。

  • リード文の直下
  • 記事の巻末
  • 2つ目のh2見出し前
  • 別のページで情報を補助できるトピックの巻末

上記はクリック率が高い、または離脱率が高いと言われている場所です。例えば見出しごとにCTAを設置する、などはあまり有効ではないです。ユーザーの利便性を考えて設置する必要があります。

もし今CTAを全く設置していないのであれば上記の場所にとりあえず設置してしまっても問題ありませんが、ゆくゆくはヒートマップやGAのデータから有効なCTAの設置を検討したほうが良いでしょう。

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【テンプレートあり】有効なCTAを作成する

CTAはわかりやすい内容で、リンク先のページがイメージできるものを用意しましょう。わかりやすさに直結する要素としては、テキスト、画像、装飾が該当します。

テキストであれば遷移先のページの内容がイメージできるような文言にしましょう。もし無料で利用できるトライアルなどを設けているのなら「無料で」とテキストで示しておく必要があります。

画像を使用する際には画像内のテキストも読める大きさにしましょう。ありがちなのは資料ダウンロードなどへの導線で、資料の一部を表示しているパターンです。特にスマホで表示したときに文字が小さくて読めないことが多いです。スマホ表示しても画像内テキストが読める、内容が伝わる画像を設定しましょう。

ボタン型のCTAを置く場合は装飾も重要です。サイトのトンマナに反する過剰な装飾は避けるべきですが、最低限スクロールしていて見逃さない程度には装飾する必要があります。

キーワードや記事のテーマにもよりますが、記事ページの場合はテキスト型のCTAをおすすめしています。下記は弊社で使用しているCTAのテンプレートです。

下記のようなお悩みお持ちではありませんか?

お悩み1
お悩み2
お悩み3

(お悩みを解決できる策を提示し、おすすめするテキスト)

CTAクリックで得られるメリットを提示

(CTAクリックを促す)

キーワードやページに合わせたCTAを使う

CTAはキーワードやページの内容に合わせたものを使いましょう。

例えば、情報収集目的で訪れているユーザーにいきなりサービス導入の申込みや商品の購入に進んでもらうのはハードルが高いです。この場合は記事に関連した情報をまとめた資料をダウンロードしてもらう、商品の内容やユーザー層によってはWeb上のお問い合わせではなく、電話タップに誘導するなど、ユーザーのニーズに合わせた誘導が有効です。

表示速度を改善する

引用:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/en-ca/marketing-strategies/app-and-mobile/mobile-page-speed-new-industry-benchmarks/

表示速度が遅くなると離脱が増えてしまい、結果的にCVRも悪化します。

Repro社の調査によると、表示速度が1秒低下すると、CVRが20%も低下してしまいます。

参考ページ:https://repro.io/contents/site-page-speed/

表示速度の改善は原因ごとに対策しなければならないので難しいですが、まずはPageSpeed Insightsで表示速度を遅くしている要因を把握しましょう。

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データから問題点を割り出す

バブルチャート

GAのデータから問題がありそうなページを割り出す方法もあります。

キャプチャはGA4のデータを加工してエクセルで作成したバブルチャートです。CVR、セッションの多いページをそれぞれ割り出しています。セッションの多いページからCVRの高いページに誘導すると、CVを伸ばせる可能性があります。前提として、両ページに関連性があることが必須ですが、今まで実行してきた施策の中でも有効だった施策の1つです。

フォームを見直す

補足の情報になりますが、フォームが最適化されているかも重要な要素の1つです。

必須項目が多すぎないか、エラー発生時に入力内容を保存できているかなど、もう一度フォームを見直してみましょう。フォームの入力を進めてもらうため、離脱を防ぐために、フォーム内には他のページへのリンクを設置しないのも有効です。

【改善事例】遷移先ページの変更でCVRが劇的に改善

ここからは事例のご紹介になります。

建材メーカーさんのサイトで、当初カタログ請求やサンプル請求をCVとして運営していました。記事ページへの流入からCVに転換するため、さまざまな施策を打ちましたがCVは微増で止まってしまい、再度データ分析からやり直してショールームへの来店予約をCVに切り替えたところ、連日対応しきれないほどの来店を獲得しました。

データを掲載できないのが残念ですが、この事例のようにCVポイントを最適化することで劇的に数値が改善する場合もあります。

施策はPDCAを回そう

CVRの改善は1つの施策で大きく成果を上げるのは難しいです。一度施策を実行して終わりではなく、何度も改善と検証を繰り返していくのが大切です。最近ではA/Bテストの検証や、ヒートマップツールをはじめ、流入データの検証に使えるツールもあるので、どんどん分析して施策を立案しましょう。

CVRの改善は継続的に取り組もう

記事の作成と合わせてよくご相談をいただく、CVR改善について解説しました。

CVRが上がらない原因は多岐にわたるので、単一の施策ではなかなか成果につながりません。施策を実行したら効果の検証と、さらなる改善を何度も行います。

本記事でご紹介した改善施策は、近年の研究データから割り出されたものや、実際に施策を実行して得られた経験から作成しています。すべてのパターンに当てはまるわけではありませんが、ぜひご自身のメディアへの施策として役立ててください。

デジタリフトでは、SEO対策のコンサルティングから記事作成代行までのご支援をさせていただいております。これまでBtoB企業~BtoC企業まで幅広くご支援してきた経験を活かして、マーケティング観点に基づいたSEO戦略の設計~施策の実行を行い、多くのオウンドメディアでいち早く成果を出すことに成功しております。

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この記事を書いた人

株式会社デジタリフト所属|SEOとコンテンツマーケティングを担当|コンテンツマーケティングとSEOをこよなく愛するコンテンツ女子|最近の流行りはリライトで爆伸びさせること|美人が多いで噂の博多出身|Twitterアカウントはこちら