オウンドメディアの運用に取り組んでいる方やこれから検討する方は「なかなか成果が出ず何が悪いのか知りたい」「これから運用を開始するうえで失敗しないか不安」などさまざまな悩みを抱えているでしょう。弊社にもそうしたご相談をよくいただきます。
実際に、オウンドメディアを始めること自体は難しくないものの、多くの企業がなかなか成果を出せていないといった現実があります。
また、オウンドメディアの運用において「何が原因で」失敗してしまい、またその失敗には「どのような特徴があるのか」、そして「どのようなことをすれば」失敗を回避し成果を出すことができるのかを、自身で考え解決するのは非常に困難です。
そこで本記事では、数々のオウンドメディアを支援してきた弊社が考える「オウンドメディアの運営でよくある3つの失敗」や「失敗してしまうオウンドメディアの7つの特徴」「失敗しないために行うべき5つの対策」について解説します。
オウンドメディアを運用する企業が、失敗せずに成果を出していくためにも、我々が企業様を支援する際に意識している重要な観点を本記事で伝授しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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オウンドメディア運用におけるよくある3つの失敗
冒頭でも紹介した通りオウンドメディアの運用は容易ではなく、失敗してしまう企業は少なくありません。では、どのような失敗をしてしまうことが多いのでしょうか?今回は、オウンドメディアの支援を行っている弊社が、よく相談を受ける3パターンについて解説していきます。
- コンテンツを作成してもセッション/UU数が増えない
- セッション/UU数が増えてもCVが増えない
- アルゴリズムにより検索順位が下落した
オウンドメディアの成功を掴むためにも、まずは先人達の失敗から学んでいきましょう。
コンテンツを作成してもセッション/UU数が増えない
オウンドメディアのよくある失敗の1つ目は、「コンテンツを作成してもセッションUU数が増えない」です。
オウンドメディアの運営において記事制作は欠かせなく、記事数を担保していくことは重要になります。ただ、「記事を沢山書けばセッションUU数を伸ばすことができる」という訳ではありません。記事数を担保してもセッションUU数を伸ばすことができないということは、オウンドメディア運営において大いにあり得ます。
では、なぜ記事を大量に作ってもセッションUU数が伸びないのでしょうか?
理由としては大きく分けて下記の2つが挙げられます。
①記事の質が低い
②適切なSEO対策がされていない
①記事の質が低い
記事の質が低いと言われても「うちの社内で執筆も行っていて専門的に記事は書いている」と思う担当者の方も少なくないと思います。
では、記事の質とはどのような意味なのでしょうか?
弊社が考えている記事質とは、「いかにユーザーの意図に応えられているか?」という意味になります。
自分たちが書きたいものを書けばユーザーは満足する訳ではありません。例えば、初心者の方をターゲットにして記事なのに、専門用語を多く活用して内容を読み解けなかったり、初心者には難しすぎる内容を解説せず玄人しかわからないような内容にしてしまってはユーザーの検索意図から離れてしまいユーザーが離脱する大きな要因となってしまいます。
ユーザーの離脱率が高いとGoogleからの評価をさげてしまい検索順位の下落に繋がってしまう可能性もあります。
また、Google検索セントラルやGoogleが掲げる10の事実でも、Googleが評価するコンテンツは「ユーザーを第一に考えられたコンテンツ」とされており、ユーザーの意図に応えることができたユーザーのための記事を作成するということの重要性がわかるでしょう。
②適切なSEO対策ができていない
オウンドメディアの記事を多くの人にみてもらうためには、Googleでの検索順位を向上させていく必要があります。どんなに良い記事でも、検索順位が低ければ露出が大きく減ってしまい本来の実力を発揮できません。検索順位は基本的に10位以内(1ページ目)になければ、検索画面からのクリック率(CTR)が大きく下落し、ユーザーが流入する可能性が大きく下がってしまいます。
Googleでの検索順位を向上させていくためには、SEO対策をすることが重要になります。
SEO対策には、内部対策、外部対策、E-A-T対策など様々なアプローチ方法がありますが、1つの施策だけをやればいいというわけではなく、総合的に行っていくことが大切になります。
また、SEO対策には誤ったやり方も世の中には出回っているので、誤ったやり方をしてしまうと逆に検索順位を下げてしまうなんてこともあり得えます。
セッション/UU数が増えてもCVが増えない
オウンドメディアのよくある失敗の2つ目は、「セッションUU数が増えてもCVが増えない」です。
CVには、toB商材やサービスを販売している企業であれば、「お問い合わせ」や「ホワイトペーパー」、toC系の商材やサービスであれば購入やお問い合わせとなることが多いでしょう。また、CVポイントを重要なKPIとして設定している企業も多く、売り上げに大きく影響を与える指標になってきます。
売上の向上を目的としているオウンドメディアの場合、CVを獲得することができなければ、オウンドメディアの成果としては評価できないという企業が多いでしょう。
CVが増えない原因として、以下の内容が考えられます。
- Webサイトの構造に問題がある
- CVまでの導線ができていない
- ページの表示速度が遅い
- Webサイトがスマートフォンに対応していない
- CTAボタンの位置がわかりにくい、数が多すぎる・少なすぎる
- サービスとマッチしていないユーザーの流入が多い
コンテンツの内容がユーザーが求めているものと合っていなかったり、Webサイトの構成が不自然で理解しにくかったりすると、ユーザーはちゃんとコンテンツを見る前にWebサイトから離脱してしまいます。
また、ページの表示速度が遅いこともユーザーの離脱につながりやすいです。特にECサイトにおいて、表示速度が0.1秒遅れると売上が1%ほど減少するというAmazonの調査もあります。
アルゴリズムにより検索順位が下落した
オウンドメディアのよくある失敗の3つ目は、「アルゴリズムにより検索順位が下落した」です。
Googleは、年に2, 3回ほどコアアップデートというアルゴリズムの大きな変更をおこないます。コアアップデートによりアルゴリズムが変動した結果、これまで検索の上位に表示されていたコンテンツが一気に下落することがあります。
近年では、2022年5月26日に実施されたコアアップデートで日本・海外含めて大きな検索順位の変動がありました。
そのため最新情報をキャッチアップして、アップデートに対応することが重要です。アップデートの影響で検索順位が下がった場合はもちろん、上がった場合でも、原因を特定してコンテンツの内容を変更して対策していきましょう。
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失敗してしまうオウンドメディアの7つの特徴
具体的にどのようなオウンドメディアが失敗してしまうのか気になる人も多いはずです。
失敗してしまうオウンドメディアの特徴は、以下の7つです。
- 目的やゴールが不明確なまま運営している
- ペルソナが不明確でターゲットに刺さらない
- 今のフェーズにマッチしていないKPIを設定している
- 間違ったSEO対策をしている
- コンテンツを安定的に制作できる体制やリソースがない
- 目的にマッチしたコンテンツを作成できていない
- 継続的に運用ができていない
順番に見ていきましょう。
目的やゴールが不明確なまま運営している
企業によってオウンドメディアを運営する目的やゴールが異なります。目的やゴールが不明確なまま運営してしまうと、成功しているのかすらも判断するのが困難となります。その結果、運営当初にあったモチベーションを維持するのが困難となり、挫折する原因にもなるのです。
ペルソナが不明確でターゲットに刺さらない
オウンドメディアを運営する上で、ペルソナの設定は非常に重要です。ペルソナとは、商品やサービスを訴求する上での架空の人物像のことです。ペルソナが不明確のままオウンドメディアの運営を続けてしまうと、誰の心にも刺さらないようなコンテンツを量産してしまい、セッション数やUU数が増えることはありません。
そのため、オウンドメディアを立ち上げる前に最低でも以下の項目を含めたペルソナを設定しておきましょう。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 性格
- 趣味
- 価値観
- 家族構成
ただし、ペルソナを細かく設定しすぎてしまうと、対象となるユーザーの母数が大幅に減少する可能性があるので、注意が必要です。
今のフェーズにマッチしていないKPIを設定している
オウンドメディアを運営する上で、目標を達成するためにはKPI(Key Performance Indicators)を設定する必要があります。KPIとは日本語で「重要業績評価指標」と訳されますが、わかりやすくいうと「最終的な目標を達成するまでの中間目標」です。
今のフェーズにマッチしていないKPIを設定してしまうと、さまざまな問題が生じてしまい、最終的な目標を修正せざるを得ない状況に陥ってしまいます。そのため、KPIは客観的に現状を分析して設定することが大切です。
オウンドメディアの適切のKPI設定について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
オウンドメディアにおけるKPI(指標)の重要性や具体例・設定ポイントについて解説!
間違ったSEO対策をしている
時代の変化に伴い、Googleのアルゴリズムも変わってきています。一昔前までは、被リンクやコンテンツを大量に増やすことがSEO対策となっていました。しかし、現在はユーザーが求めているような有益な情報の発信や権威性のあるサイトなどが検索結果の上位に表示されるようになっています。
間違ったSEO対策は逆に検索順位を下げる原因にもつながるので、注意しましょう。
コンテンツを安定的に制作できる体制やリソースがない
オウンドメディアの運営は、効果が出るまで非常に時間がかかります。また、継続してコンテンツを作成するためには、ある程度のリソースが必要です。そのため、運営体制が整っていないままオウンドメディアを立ち上げてしまうと、ほとんどの確率で失敗してしまいます。
オウンドメディアで成果を出したいのであれば、まずは十分なリソースを確保しましょう。
目的にマッチしたコンテンツを作成できていない
目的にマッチしたコンテンツを作成できていないオウンドメディアも少なくありません。
例えば、自社の転職サービスの利用者を増加させる目的としてオウンドメディアを運営したとします。しかし、芸能人のニュースやおすすめの飲食店など、全く異なるコンテンツを作成してしまっては、いくら有益な内容であっても結果につながることはありません。
自分たちの目的に合ったコンテンツを作成しましょう。
継続的に運用ができていない
オウンドメディアは、決して短期間で効果が現れるものではありません。コツコツと継続していくことで、徐々にユーザーやGoogleから認知されるようになります。
このようなオウンドメディアの特徴を理解できていないまま運営してしまうと、理想と現実のギャップに苦しめられて挫折する原因にもなるため、注意が必要です。長期的な目線で継続的に運用することを意識しましょう。
オウンドメディアが失敗しないために行うべき5つの対策
オウンドメディアの運営を失敗したくないのであれば、以下の5つの対策を講じてみましょう。
- 目的とゴールを明確にする
- 適切なKPIを設定する
- ペルソナやターゲットを明確にする
- SEOの専門家に相談をしてみる
- リソースが足りないのであれば記事制作を外注する
順番に解説します。
目的とゴールを明確にする
オウンドメディアを運営する目的とゴールを明確に決めましょう。「先月よりもセッション数を◯%増加させる」、「資料のお問い合わせ件数◯件を達成する」など、数字を用いて目的やゴールを設定することで、達成するための施策や起こすべきアクションが明確になります。
また、担当者のモチベーション維持にもつながります。チームでオウンドメディアを運営するパターンが多いため、目的とゴールを決めたら、メンバー全員への共有を忘れないようにしましょう。
適切なKPIを設定する
目標やゴールを達成する上でKPIは非常に重要になってきます。特にオウンドメディアは効果が現れるまで非常に時間がかかるため、適切なKPIが設定されていないと、運営のモチベーションが下がる原因にもなります。
適切なKPIを設定するためには、KGI(Key Goal Indicator)から逆算しましょう。KGIとは、日本語で「重要目標達成指標」と訳されますが、わかりやすくいえば「最終的な目標」です。
KPIは設定する項目がいくつもあるので、KPIツリーを利用するのがおすすめです。KPIの設定が完了したら、最終的に「SMART」の法則に当てはめて抜け漏れがないかを確かめましょう。
- Specific:具体的でわかりやすい
- Measurable:計測が可能
- Achievable:達成できるか
- Relevant:関連性
- Time-bound:期限が明確か
ペルソナやターゲットを明確にする
いくらコンテンツを大量に作成してもペルソナやターゲットが曖昧であれば、誰の心にも刺さりません。また、チームでオウンドメディアを運営する場合、担当者によってコンテンツの内容もバラバラになってしまうため、メディア全体の統一性が失われてしまいます。
そのため、ペルソナやターゲットを明確にしてから運営しましょう。ターゲットとなるユーザーの母数が多いと感じたら、様子をみながら徐々にペルソナの項目を調整するのがポイントです。
SEOの専門家に相談をしてみる
Googleのアップデートにより、検索結果の上位に表示させるのは年々難しくなってきています。オウンドメディアを運営するためには専門的知識やスキルも必要となってくるので、自分たちだけではオウンドメディアを成功させることは困難だと感じる担当者も少なくありません。
そんなときには、SEOの専門家に相談してみましょう。SEOの専門家に相談することで、SEOについてのノウハウを教授してもらえるだけではなく、戦略設計からオウンドメディアの運営までトータルでサポートしてもらえます。その結果、最短で結果が出せるようになるはずです。
リソースが足りないのであれば記事制作を外注する
オウンドメディアの運営のなかでも、大幅なリソースが必要となってくるのが記事制作です。しかし、ほかの業務が忙しく、記事制作にリソースが割けないという企業も少なくありません。そんなときには、記事制作の外注を検討しましょう。
記事制作を外注することで、ほかの業務に注力することができます。また、高品質な記事を安定的に公開できるのも大きなメリットです。クラウドソーシングサイトやSNS・求人サイトなどで募集してみましょう。
まとめ
本記事では、オウンドメディアの運営でよくある失敗や、失敗してしまうオウンドメディアの特徴・失敗しないために行うべき対策などについて解説しました。オウンドメディアを運営することで、認知度やブランディング力の向上・新規顧客の獲得にもつながります。
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