CPAを下げるリスティング広告の7つの施策と3つのステップを紹介

リスティング広告を行うなかで、「CPA」の高騰に悩まされているマーケターの方も多いのではないでしょうか。CPAは、リスティング広告の成果を直接的に示す指標であり、悪化時には迅速な改善が求められます。

今回の記事では、リスティング広告のCPAが高騰してしまった際に、CPAを改善する方法について詳しく解説します。CPA改善に向けてどの指標に注目するべきか、どういった施策を行えばよいかを丁寧に解説しているので参考にしてみてください。

この記事で分かること
  • CPAを下げたい時に見るべき指標
  • リスティング広告のCPAを下げる具体的施策
  • リスティング広告のCPAを下げる3ステップ
目次

CPA(顧客獲得単価)を下げるための論理と指標

CPAとは、「Cost Per Action」を略した言葉で、日本語では顧客獲得単価と呼ばれています。1CV(コンバージョン)あたりに要する単価を意味し、リスティング広告における重要な指標です。

CPAは業種だけでなく、コンバージョンを何に設定するかで異なります。一般的に、コンバージョンは、新規登録、資料請求、問い合わせ、売上件数といった具体的な目標が挙げられます。

CPAの計算方法は以下の通りです。

  • CPA=広告費 ÷ コンバージョン数

たとえば、100万円の広告費を使い、500件分の新規登録を獲得したとします。上記の式に当てはめると「¥1,000,000 ÷ 500件」で、新規登録1件あたりに要した単価(CPA)は¥2,000です。

また、CPAの式を細かく分解すると、以下の計算式になります。

  • CPA=広告費 ÷ コンバージョン数

       =(CPC×クリック数)÷(CVR×クリック数)

       =CPC ÷ CVR

つまり上記の式から、CPAを下げるためには、「CPCを下げるか」、「CVRを上げるか」、「または両方を改善する」必要があります。

指標1:CPCを下げる

CPCとは、「Cost Per Click」の略で、1クリックに対して発生する費用のことです。CPCは、以下の計算式で算出されます。

  • CPC= 広告費 ÷ 獲得したクリック数

CPA改善に向けて、CPCを下げるためには、入札単価の調整や品質スコアの向上が求められます。ただし、入札単価の上限を下げすぎてしまうと、広告が表示されなくなる危険性があります。単純に入札単価を下げるのではなく、推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性を評価対象とした品質スコアも向上させましょう。

指標2:CVRを上げる

次に、CVRはコンバージョン率のことで、自社Webサイトにアクセスしたユーザーのうち、どれくらいがコンバージョンに至ったのかを示す割合です。

  • CVR= CV ÷ サイト訪問数(セッション数)

リスティング広告はクリック課金制の広告であることから、CVRが低いままだと、クリックされてもCPAが悪化してしまいます。

CVRを上げるためには、コンバージョンに至るユーザー数を増やす施策を進めていかなければなりません。具体的には、ファーストビューでユーザーの興味を引き出す、コンバージョンに至るまでの導線を改善し離脱を防ぐ、ターゲティングの見直しといった施策が挙げられます。

CPCを下げるために行うおこなうべき3つの対策

CPCを下げるためには、以下の3つの対策が効果的です。

CPCを下げるために行うべき3つの施策
  • 広告の品質スコアを上げる
  • 入札単価を抑える
  • 競合性の低いロングテールキーワードを狙う

各対策について解説していきます。

1.広告の品質スコアを上げる

CPCを下げるための1つ目の施策は、広告の品質スコアを上げることです。品質スコアを見直すことで、広告の検索順位が向上されやすくなり、CPCの改善につながります。

品質スコアは、以下の3つが評価対象となります。

  • 推定クリック率
  • 広告の関連性
  • ランディングページの利便性

推定クリック率とは、検索結果で広告がクリックされる可能性の高さを示します。推定クリック率のステータスが低い場合、検索ユーザーにマッチした広告文や、ユーザーの興味を引き出す広告文によって改善が期待できます。

広告の関連性は、検索ユーザーが求めているものと、広告の内容がどのくらい一致しているかを示す度合いです。広告関連性のステータスが低い場合、広告文を検索キーワードに沿った内容にすることや、広告グループの分割やキーワードをグループ化し、広告と検索キーワードの関連性を向上させましょう。

ランディングページの利便性とは、検索ユーザーのニーズとランディングページ(LP)の関連性や利便性のことです。検索ユーザーが求めていることと、LPの内容に乖離がないか、ランディングページ自体の表示速度・導線などを改善しましょう。

2.入札単価を抑える

CPCを下げるための2つ目の施策は、入札単価を抑えることです。入札単価の上限を引き下げれば、広告の表示回数が減少しCPCを下げられます。

しかし、入札単価を下げすぎると、競合他社との入札に負けてしまい、検索結果に表示されなくなってしまうリスクがあります。広告の掲載順位は、入札単価や前述した品質スコアに基づいて決まるため、入札単価を下げるだけでなく、品質スコアを向上させることも大切です。

3.競合性の低いロングテールキーワードを狙う

3つ目の施策は、競合性の低いロングテールキーワードを狙うことです。ロングテールキーワードとは、複数の語句を組み合わせたキーワードで、月間検索ボリュームが1,000未満のキーワードを指します。

組み合わせた語句が多いほど競合性が低くなることから、CPCを安く済ませられるメリットがあります。つまり、入札単価が低くても、上位での掲載順位を狙えます

また、ロングテールキーワードは、検索ユーザーの意図が具体的になるため、検索ボリュームが少なくてもコンバージョンする可能性が高まります。自社商品・サービスに対して、ニーズが近い検索ユーザーが集まりやすくなり、結果としてCVRの向上にも期待できます。

CVRを上げるために行うおこなうべき4つの対策

CPAの改善に向けて、CVRを高めることも必要となります。以下の4つの施策を実行していきながら、CVRの向上を狙いましょう。

CVRを上げるための4施策
  • ターゲティングを見直す
  • 広告文を見直す
  • CVが出ていない、CPAが高いキーワードの配信を停止する
  • リンク先のページを改善する

1.ターゲティングを見直す

CVRを高める1つ目の対策は、ターゲティングの見直しです。リスティング広告のような検索広告では、キーワードの選定もターゲティングで重要な作業となります。

また、広告を配信する地域、時間帯、年齢といった細かいターゲティングも、CVRの向上に欠かせません。たとえば、自社商品・サービスがオフィスワーカー向けであれば、通勤時間帯の朝や夕方、土日・祝日を中心に配信することで、CVRの向上が見込めます。

2.広告文を見直す

CVRを向上させる2つ目の施策として、広告文の見直しが挙げられます。広告文が検索ユーザーにとって意図した内容に仕上がっているのか、魅力的な広告文であるのかを見直しましょう。

また、広告文を見直す際には、CVRを最適化するためにA/Bテストの実施も重要です。Aパターン・Bパターンの広告文を作成したうえで、検索ユーザーにランダムで表示させ、どちらの広告文が成果が出やすいのかを分析してみてください。

広告文の見直しで注意したいのが、遷移先であるURL(例:ランディングページ)との乖離が起きていると、クリック数が多くてもCVにつながらない可能性があることです。広告文を見直す際には、遷移先URLとの関連性にも気をつけましょう。

3.CVが出ていない、CPAが高いキーワードの配信を停止する

次に、CVが発生していない、CPAが高いキーワードの広告配信を停止することです。リスティング広告を配信した結果、CVが全く発生しないキーワードに関してはCVRの低下につながるので除外しましょう。

また、CVが出ているキーワードについても、CPAが高すぎるものは停止を考えてください。特定のキーワードにコストが集中する一方で、CVが発生しないままだと、CPAが悪化してしまう危険性があります。

リスティング広告の最適化は、CVの発生有無だけでなく、どのくらいの期間で配信されているかを見ることも大切です。短期的にCPAが高くても、長期的にはCPAが安定することもあるので、停止判断に至る期間を定めるようにしましょう。

4.リンク先のページを改善する

CVRを向上させるための4つ目の施策は、リンク先ページの改善です。キーワードのCTRが高くても、リンク先のページでCVが発生していないとCPAが上がり続けてしまいます。

リンク先ページの改善では、検索ユーザーが意図しているものとのズレを防ぐことが重要です。

たとえば、安価で優れたパソコンを探している検索ユーザーが「コストパフォーマンスが高いパソコン」という広告文を見てクリックしたとします。検索ユーザーは、低価格帯のパソコンを期待してクリックしたにもかかわらず、リンク先LPで「ハイスペックで高額なパソコン」を紹介していると、ユーザーの離脱率が高まってしまいます。

CTRが高い一方で、離脱率が高く、CVRがなかなか上がらないという場合には、リンク先のLPに原因がある可能性が高いです。広告文を見た検索ユーザーが想像しているもの・期待しているものを、LPで表現することを意識しましょう。

CPAを下げるまでのステップ

最後に、リスティング広告でCPAを下げるまでのステップをご紹介します。次の3つのSTEPを参考にしながら、CPAの改善を目指しましょう。

CPAを下げる3ステップ
  • STEP1:各指標をチェックして課題を見つける
  • STEP2:課題が起こっている原因や要因を特定する
  • STEP3:課題を解決するための施策を立案し実行する

STEP1:各指標をチェックして課題を見つける

CPAを下げるためのSTEP1では、各指標をチェックしながら課題を見つけていくことです。

CPA改善に向けてチェックする指標

  • インプレッション数(Imp)
  • クリック数(Click)
  • クリック率(CTR)
  • クリック単価(CPC)
  • コンバージョン数(CV)
  • コンバージョン率(CVR)

主に、上記の5つの指標をチェックし、どこの数値が悪いのかを把握しましょう。たとえば、クリック率が低い場合は、検索結果に表示される広告文が原因である可能性が高いです。

また、コンバージョン率が低い状況であれば、検索キーワードとリンク先LPの関連性に課題が出ている可能性があります。このように、まずは指標をチェックしたうえで、どこに課題が発生しているのかを見つけ出します。

STEP2:課題が起こっている原因や要因を特定する

指標を用いて課題を見つけ出したあとは、原因や要因を特定していきます。たとえば、CVRが低いのであれば、ターゲティングの失敗や、広告文が検索ユーザーにとって魅力を感じないことなどが原因だと考えられます。

原因・要因を特定する際に注意しておきたいのは、1つ1つ丁寧に検証することが大切です。仮に、特定結果を誤って施策を進めてしまうと、CPAがさらに悪化してしまう可能性が高まります。さまざまな原因が考えられるなかで、曖昧な判断で施策を進めないように気をつけましょう。

STEP3:課題を解決するための施策を立案し実行する

最後のSTEP3では、特定した原因・要因に対して施策を実行していきます。たとえば、リンク先のLPに原因が生じている場合、訴求文言やデザインを変えたLPを準備し、A/Bテストを実施します。

また、施策を実行したあと、成果がどれくらい効果が出たのかを細かく分析する必要があります。施策を行って終わりにするのではなく、PDCAサイクルを回しながら最大限効果が出るようにしましょう。

まとめ

リスティング広告でCPAを下げるためには、CPC・CVRに注目しながら改善を行います。入札単価の調整や競合性が低いロングテールキーワードの選定、ターゲティングの見直しなど、さまざまな施策を進めていきましょう。

施策を進めるなかで意識することは、検索ユーザーのニーズをしっかりと汲み取ることです。検索ユーザーのニーズと、自社広告内容がマッチしていないと、広告費をかけても成果を得られない可能性があります。特定のキーワードに対して、ユーザーが何を求めているのかを分析し、適切な広告文・リンク先を提供しましょう。

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この記事を書いた人

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